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目次(IV. 内臓学)

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大腸は盲腸Intestinum caecum(これに虫垂Processus vermiformisが付属する)と結腸Intestinum colonからなる。

結腸はさらに4つの部分に分けられる。それは上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸(Colon ascendens, transversum, descendens, sigmoides)である。

大腸の長さは約1.3mで、直径は場所により異なるが5~8cmである。盲腸から下流に向かって径が徐々に減少し、小腸同様に下方へ細くなる。つまり、小腸も大腸も長く引き伸ばされた円錐形をしている。

大腸と小腸には外形に重要な違いがある。小腸が表面の平らな円柱状の管であるのに対し、大腸の表面には多数の外向きのふくらみ、すなわち結腸膨起Haustra coli(図159(腹部内臓の位置関係 III. 腹腔後壁の左半を観察する)図160(腹部内臓の位置関係IV. 腹腔後壁の観察)図161(大腸、適度に充満:レントゲン像)図162(盲腸と虫垂、回腸末端部およびその周囲の腹膜嚢))が目立つ。結腸膨起の間には、大腸の内面に横走する結腸半月ヒダPlicae semilunares coliがあり、これに対応して外面には溝がある。さらに、結腸膨起を区切るものとして、縦走筋層が肥厚した3本の発達した平らな束があり、これを結腸ヒモTaeniae coliと呼ぶ。結腸ヒモは互いに平行して縦走する3本の条を形成している(図159(腹部内臓の位置関係 III. 腹腔後壁の左半を観察する)図160(腹部内臓の位置関係IV. 腹腔後壁の観察))。

Fujita(藤田恒太郎)(Anat. Rec., 114. Bd., 1954)は、大腸の全長にわたってその内外の両筋層から起こり、周囲の結合組織内に放散する平滑筋線維の平たい束を発見し、これをMm. parietocolici(体壁結腸筋)と名付けている。

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[図159]腹部内臓の位置関係 III. 腹腔後壁の左半を観察する。

腸間膜小腸を右側に反転させている。

*上十二指腸結腸間膜ヒダ

† 下十二指腸結腸間膜ヒダ

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[図160]腹部内臓の位置関係IV. 腹腔後壁の観察

小腸(空腸の起始部から回腸の終末部まで)は除去されており、小腸間膜はその根部で切除されている。

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[図161]大腸、適度に充満。レントゲン像(W. Knothe作)

1. 盲腸と虫垂 Intestinum caecum (Typhlon)、Blinddarm、et Processus vermiformis、Wurmfortsatz

2. 結腸 Intestinum colon, Grimmdarm

大腸壁の各層 Schichten der Dickdarmwand