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片山正輝

目次(V. 神経系)

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脊髄の項(b)神経性の要素 nervöse Bestandteile)では、伝導路を下行性(absteigend)と上下両行性(ab- und aufsteigend)に分類した。この分類法は、脳の伝導路および脳と脊髄の結合関係を考察する際にも有用である。

しかし、「上行性」(aufsteigend)という伝導路の概念は、多くの場合、若干の制限を加えて理解すべきである。明らかに知覚性と確認されている伝導路でさえ、いくらかの下行性線維を含んでいる。そのため、上行性の伝導路系と呼ばれるものは、相対的にそうであるか、あるいは大部分が上行性線維であるにすぎない。

さらに、別種の線維束も多数存在する。これらは身体の末梢部と中枢器官を結合するのではなく、むしろ様々な伝導路同士を結びつける役割を果たす。つまり、伝導路は末梢から脳の皮質へ、またはその逆方向に中断なく走るのではなく、一定の間隔で側枝が分かれて近くの灰白質の核に達したり、核の介在によって伝導路が直接中断されたりする。これらの核自体が特別な伝導路を介して離れた場所にある灰白質と連絡している。これらは側副伝導(kollaterale Leitung)の系統であり、主伝導路の様々な種類の枝分かれとみなすべきものである。

また、ある種の伝導路系は上行性とも下行性とも言い切れない。なぜなら、これらは両方向に走る線維から成り、機能的に密接な関係にある中枢同士を結びつけているからである。そのため、これらは連合神経路(Assoziationsbahnen)と呼ばれている。

1. 上行性の伝導路系 Aufsteigende Leitungssysteme

2. 下行性の伝導路系 absteigende Leitungs-Systeme