https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html

片山正輝

目次(V. 神経系)

funalogo.gif


(図061(唾液腺II )図536(頚部の神経と血管(深層)) )

顎下神経節は極めて不規則な形状を呈し、最大直径は3~3.5mmで、顎下腺の上方に位置する。舌神経とは前後それぞれ1本の線維束で結合している。その神経細胞は多極性である。

後方の束は舌神経と鼓索神経の線維を神経節に導き、前方の束は神経節から出る線維を舌神経に導く。後方の束には運動根Radix motoriaと知覚根Radix sensitivaが含まれる。また、顔面動脈周囲の交感神経叢から出る数本の細い枝が交感根Radix sympathicaを形成すると考えられる。

この神経節は5~6本の繊細な枝を顎下腺に送る。これらは腺枝Rami glandularesと呼ばれ、神経節の下縁から出ている。腺枝は多くの場合、顎下腺管とともに腺門に入り、分泌を司る神経となる。さらに、いくつかの細い小枝が導管に沿って舌下唾液乳頭にまで達する。

神経節の前縁からは細い枝が出て舌神経に入り、共に舌へと向かう。時には、この神経節から数本の小枝が舌下神経N. hypoglossusに達し、これに伴って末梢へと分布する。