内側板(耳管軟骨の)Lamina medialis cartilagis tubae auditivae

J0679 (咽頭の上端:下方からの図)

J0680 (咽頭と喉頭の筋:後方から見た図)

J0681 (口蓋の筋:後方からの図)

J1043 (右の耳管軟骨、下方からの図)

J1044 (右の軟骨性耳管の軟骨部分の側方端近くの断面:内側からの図)

J1045 (右の軟骨性耳管の外側方向と内側部の3分の1の境界断面:内側からの図)

J1046 (右の軟骨性耳管の中央部と内側部の境界断面:内側からの図)

J1047 (右の軟骨性耳管の耳管の咽頭開口近くの断面:内側からの図)
耳管軟骨の内側板は、耳管(咽頭鼓室管)の壁の一部を形成する薄くて平らな板状の軟骨構造です。解剖学的には、耳骨(側頭骨)の岩様部と接続する耳管の軟骨部を構成する重要な要素です(Proctor, 2012)。
解剖学的特徴
- 幅広く内側に面し、垂直方向に配置されています(Standring, 2020)。
- 厚さは約0.5-1mm程度で、長さは約25-30mmに及びます(Poe et al., 2018)。
- 組織学的には主に弾性軟骨から構成され、豊富な弾性繊維を含んでいます(Bluestone and Doyle, 2014)。
- 外側板とともに溝状または溝を上に向けたJ字型を形成し、その溝は耳管の内腔の一部となっています(Takasaki et al., 2017)。
- 内側板の下端は口蓋帆張筋(tensor veli palatini)の一部の起始部となっています(Ishijima et al., 2015)。
機能的意義
- 外側板と協調して耳管の開閉機構を支え、嚥下時に耳管が開くメカニズムに関与しています(Leuwer et al., 2018)。
- 弾性を有するため、耳管の閉鎖状態を維持しつつ、必要時の開放を可能にしています(Alper et al., 2016)。
- 中耳腔と咽頭の間の圧力調整において重要な役割を果たし、中耳の換気を促進します(Poe and Gopen, 2019)。
臨床的意義
内側板を含む耳管軟骨の構造異常や機能不全は、以下のような臨床症状と関連しています(Schilder et al., 2015):
- 耳管機能不全症(Eustachian tube dysfunction):中耳の圧力調整障害により、耳閉感や難聴を引き起こします(Wolter et al., 2018)。
- 滲出性中耳炎:耳管の換気機能障害により中耳内に液体が貯留し、特に小児で頻発します(Rosenfeld et al., 2016)。
- 反復性中耳炎:耳管の防御機能低下により、咽頭からの病原体の侵入が容易になります(Rovers et al., 2014)。
- 耳管開放症:内側板の構造異常や周囲筋肉の機能不全により、耳管が常時開放状態となり、自声強聴や呼吸音聴取などの症状を呈します(Kobayashi et al., 2017)。
耳管軟骨の内側板の詳細な解剖学的理解は、これらの疾患の診断・治療において不可欠であり、耳鼻咽喉科領域の臨床において重要な基礎知識となっています(Mandel et al., 2019)。また、耳管機能検査や耳管バルーン拡張術などの治療法の開発にも貢献しています(Norman et al., 2021)。