アブミ骨 Stapes

アブミ骨は、中耳にある3つの耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)の最も内側に位置する骨で、ヒトの体内で最も小さな骨です(Merchant and Nadol, 2010)。全長約3mm、重さ約2〜3mgしかありません。名前は西洋の馬の鐙(あぶみ)に似ていることに由来します。

解剖学的構造

発生学

アブミ骨は第二鰓弓のライヘルト軟骨から発生します(O'Rahilly and Müller, 2006)。底部の一部は耳包から形成されるという説もあります。胎生期に軟骨として形成され、出生時には既に骨化しています。

機能

アブミ骨は聴覚伝導系の最終段階として、キヌタ骨からの振動を受け取り、底部の振動を通じて内耳のリンパ液に伝達します(Pickles, 2012)。音のエネルギーを気導から液導へと変換する重要な役割を担っています。また、アブミ骨筋反射によって強大音から内耳を保護する機能も持っています(Geisler, 1998)。

臨床的意義

アブミ骨は以下のような疾患や臨床的状況で重要です: