中心管(脊髄の)Canalis centralis (Medullae spinalis)

J0824 (腰髄の最上部を横切る断面(大人の))

J0862 (図873-880で示された切断方向を示す、8〜9か月の人間の胎児の脳幹:後方およびやや右側からの図)

J0873 (毛帯(感覚)交叉の高さ、8-9ヶ月胎児の脳幹の断面)
解剖学的構造
基本構造と組成
- 脊髄の全長を貫く細い管腔構造で、第四脳室の尾側端から脊髄円錐の最尾端まで連続している (Standring et al., 2021)→臨床解剖学の標準的教科書で、脊髄中心管の詳細な解剖学的構造と臨床的意義を記述
- 管壁は単層の上衣細胞で裏打ちされており、この上衣細胞層は線毛を持つ円柱状細胞から構成される (Garcia-Ovejero et al., 2015)→成人ヒト脊髄の上衣領域が他の動物種と異なる特徴を持ち、上衣腫に類似した特性を示すことを報告
- 管腔内部には脳脊髄液(CSF)が存在し、脳室系と連続した液体環境を形成している (Saker et al., 2016)→ヒト脊髄中心管の解剖学、発生学、分子発生学、変異、病理学に関する包括的レビュー
- 成人では、管腔の直径は0.1mm未満と極めて細く、部分的または完全に閉塞していることが多い (Yasui et al., 2019)→加齢過程に伴う中心管の形態学的変化、特に狭小化や閉塞のメカニズムを考察した研究
位置関係と周囲構造
- 脊髄灰白質の中央部に位置し、解剖学的には前正中裂と後正中溝を結ぶ正中線上にある (Waxman, 2023)→臨床神経解剖学の主要教科書で、脊髄の解剖学的構造と機能的連絡を臨床的観点から解説
- 横断面では、脊髄灰白質のH字型構造またはバタフライ型構造の中心部に位置し、前角と後角を分ける位置関係にある (Standring et al., 2021)→前述
- 前交連(白交連)と後交連の間に位置し、左右の灰白質を連絡する交連線維がその周囲を走行する (Waxman, 2023)→前述
- 周囲には上衣下層と呼ばれる細胞層が存在し、この領域には神経幹細胞としての性質を持つ細胞が含まれる (Garcia-Ovejero et al., 2015)→前述
微細構造と組織学的特徴
- 上衣細胞は頂端面に線毛を持ち、脳脊髄液の循環を促進する役割を果たす (Saker et al., 2016)→前述
- 上衣細胞間には密着結合(タイトジャンクション)が形成され、管腔と周囲神経組織との間の物質交換を制御している (Garcia-Ovejero et al., 2015)→前述
- 中心管周囲の上衣下層には、血管に富む結合組織が存在し、栄養供給と代謝産物の除去に関与する (Standring et al., 2021)→前述
臨床的重要性
病的状態と疾患
- 中心管の異常な拡張は脊髄空洞症(syringomyelia)を引き起こす可能性があり、感覚障害や運動障害の原因となる (Saker et al., 2016)→前述