後正中溝(脊髄の)Sulcus medianus posterior (Medullae spinalis)

J0814 (脊髄:後方からの図)

J0824 (腰髄の最上部を横切る断面(大人の))


J0863 (錐体交叉を通る脳幹の断面)

J0864 (錐体交叉とオリーブ間を通る脳幹の断面)


J0873 (毛帯(感覚)交叉の高さ、8-9ヶ月胎児の脳幹の断面)
解剖学的構造
基本的位置と形態
- 後正中溝は脊髄後面の正中線上に位置する浅い縦溝であり、脊髄を左右対称に二分する構造として脊髄の全長にわたって存在する (Gray & Williams, 2023; Standring, 2024)。
- 溝の深さは比較的浅く、脊髄後索間に明瞭な境界を形成している (Carpenter, 2022)。
内部構造と関連組織
- 後正中中隔(septum medianum posterius)は後正中溝の底から前方へ延び、脊髄灰白質の後交連付近まで達する (Fitzgerald et al., 2023; Standring, 2024)。
- 軟膜(pia mater)が溝内に陥入し、血管を伴って脊髄実質に栄養を供給する重要な経路を形成している (Mai & Paxinos, 2024)。
- 後索(funiculus posterior)は後正中溝により左右に分けられ、内側の薄束(fasciculus gracilis)と外側の楔状束(fasciculus cuneatus)を含む (Crossman & Neary, 2023)。
血管供給
- 後正中中隔を介して栄養血管が進入し、後索領域への血液供給を確保している (Mai & Paxinos, 2024)。
- 軟膜に伴う血管網が溝に沿って陥入し、脊髄実質への微小血管分布を可能にしている。
発生学的起源
- 後正中溝は胎生期の神経管閉鎖過程で形成され、背側正中線の痕跡として残存する (Schoenwolf et al., 2023)。
- 神経管背側正中線に由来し、発生過程における左右後索の分化により明確な境界として確立される (Schoenwolf et al., 2023)。
- 脊髄の分節性発達と左右対称性の確立に重要な役割を果たす構造である。
機能的役割
感覚伝導路の分離
- 脊髄後索の伝導路を左右に分離し、体性感覚情報(触覚、振動覚、位置覚)の整然とした伝達を可能にしている (Kiernan & Rajakumar, 2023)。