脊髄クモ膜 Arachnoidea mater spinalis

J0826 (脊髄を被鞘で挟む、背面からの図)

J0827 (脊椎管内の被鞘と下部脊髄端、背面からの図)

J0828 (脊椎と筋の断面図)

J0900 (頭部正中断面のクモ膜下腔、左半分:右方からの図)
1. 解剖学的構造
1.1 基本構造
- 脊髄クモ膜は、脊髄を覆う髄膜の一つであり、血管を含まない薄い膜として存在する (Gray and Williams, 2021)。
- 脊髄硬膜と軟膜の間に位置し、クモの巣のような繊細な構造を持つ (Standring, 2023)。
- 内皮細胞で覆われた結合組織線維の小梁によって、軟膜と結合している (Standring, 2023)。
- 脊髄の長さに沿って連続的に存在し、脊髄の保護と緩衝機能を果たす (Moore et al., 2022)。
1.2 クモ膜下腔
- クモ膜と軟膜の間には広いクモ膜下腔があり、その中に脳脊髄液が存在する (Drake et al., 2020)。
- クモ膜下腔内の脳脊髄液の循環は、中枢神経系の恒常性維持に重要な役割を果たす (Kierszenbaum and Tres, 2019)。
- 頚部から胸部の背側正中部では、小梁が密集して中間頚部中隔を形成する (Moore et al., 2022)。
1.3 組織学的構造
- クモ膜は、緻密層(外層)と網状層(内層)の2層構造を持つ (Ross and Pawlina, 2020)。
- 緻密層は扁平な上皮様細胞が密に配列している (Ross and Pawlina, 2020)。
- 網状層には、コラーゲン線維を含む結合組織が存在し、クモの巣状の構造を形成する (Ross and Pawlina, 2020)。
- 血管に乏しい無血管性の膜組織である (Gray and Williams, 2021)。
1.4 発生学的起源
- 脊髄クモ膜は、発生学的には神経堤細胞由来の間葉組織から形成される (Sadler, 2022)。
- 胎生期において、硬膜と軟膜の間に位置する中間層が分化してクモ膜を形成する (Sadler, 2022)。