後脛骨動脈
後脛骨動脈は、下肢の主要な動脈の一つで、以下のような特徴を持ちます:
- 膝窩動脈から分岐します。
- ヒラメ筋腱弓の深層を通り、ヒラメ筋と後脛骨筋の間を下行します。
- 距腿関節の後面を経て、屈筋群に覆われながら内果と踵骨隆起の間を通過します。
- 最終的に母趾外転筋の深層で内側および外側足底動脈に分岐して終わります。
- この動脈には脛骨神経が伴行します。
後脛骨動脈は、下腿部や足に酸素と栄養を含んだ血液を供給する重要な役割を果たしています。また、この動脈には以下のような主要な分枝があります:
- 腓骨回旋枝(腓骨枝)
- 内果枝(後脛側踝動脈)
- 踵骨枝(内側踵骨枝、脛側踵骨枝)
後脛骨動脈の解剖学的変異については、以下のような特徴的な報告があります:
- 後脛骨動脈が欠如したり、腓骨動脈より明らかに細い場合があります(463例中38例、約8.2%)。
- 後脛骨動脈が下腿筋枝として終わり、足まで下行しない例も報告されています(2.1%~2.9%)。
- 後脛骨動脈と腓骨動脈の間には交通枝が存在することがあります。
これらの解剖学的変異は、臨床的に重要な意味を持つ可能性があります。
J0601 (右下腿の動脈:背側からの図)
J0604 (右足底の動脈)