内側上膝動脈

内側上膝動脈は、膝関節周辺の重要な血管の一つです。その主な特徴は以下の通りです：

• 腓腹筋内側頭の上縁を通り、前方に向かいます。
• 大内転筋腱の深層を通過し、膝関節動脈網に至ります。
• 下行膝動脈と吻合し、内側広筋に筋枝を供給します。
• 時に発達が不十分な場合があり、その際は下行膝動脈関節枝が代償します。
• 多くの場合（約79.5%）、膝窩動脈から単独で分岐します。
• 約10.3%の症例では、外側上膝動脈と共同幹を形成します。

内側上膝動脈は、他の膝関節周囲の動脈（外側上膝動脈、内側下膝動脈、外側下膝動脈、中膝動脈）と協調して、膝関節への重要な血液供給を担っています。

J0599 (右大腿深層部の動脈：前面からの図)

J0600 (右大腿の動脈、背面図)

J0601 (右下腿の動脈：背側からの図)

J0602 (右下肢の動脈：前方からの図)

日本人のからだ（村上 弦 2000）によると

後脛骨反回動脈は、主に前脛骨動脈（70.6％、Adachi, 1928 b; 92.3％、矢野, 1959 b; 73.0％、金子ら, 1983）、後脛骨動脈（5.9％、Adachi, 1928 b; 9.9％、金子ら, 1983）、または膝窩動脈（23.5％、Adachi, 1928 b; 8.6％、金子ら, 1983）から分岐します。合計が100％に満たない部分は、後脛骨反回動脈の欠損と考えられます（金子ら, 1983）。さらに、前脛骨反回動脈は、ほとんどの場合（97.5％、矢野, 1959 a; 98.3％、金子ら, 1983）、下腿骨間膜を貫通直後に前脛骨動脈から分岐しますが、稀に更に遠位から分岐することもあります（金子ら, 1983）。