下腹壁動脈は、鼡径靭帯のすぐ上方で外腸骨動脈より発します。壁側腹膜に覆われながら深鼠径輪の内側に沿って上方に走り、前腹壁に入ります。まもなく横筋筋膜を貫き、弓状線の前を通って腹直筋と腹直筋鞘後葉との間を上行し、この筋に枝を与えながら筋中で上腹壁動脈と吻合して終わります。深鼠径輪の内側を通るときには、鼡径管の内容物である精管または子宮円索の内側を経て上行します。