血管 Vas sanguineum (Blood vessel)

J0404 (ウサギの筋(大内転筋)における血管の最も細かい分岐)

J1084 (真皮の乳頭層の血管分布)
血管の基本分類と構造
血管系は循環系の主要な構成要素であり、3つの主要タイプに分類されます(Gray and Williams, 2020; Tortora and Derrickson, 2018):
- 動脈(Arteries):心臓から離れる方向に血液を運搬する血管
- 静脈(Veins):心臓に向かう方向に血液を運搬する血管
- 毛細血管(Capillaries):動脈と静脈を結ぶ微小血管で、組織との物質交換を担当
血管壁の三層構造
血管壁は内側から外側へ以下の3層で構成されています(Ross and Pawlina, 2015; Kierszenbaum and Tres, 2019):
- 内膜(Tunica intima):単層扁平上皮である内皮細胞、基底膜、内弾性板を含む疎性結合組織で構成され、血管内腔を覆い、抗血栓性表面を提供し、血管の透過性を調節します(Vanhoutte et al., 2017)
- 中膜(Tunica media):同心円状に配列された平滑筋細胞と弾性線維からなり、血管の収縮と拡張を制御し、血圧調節に重要な役割を果たします(Gray and Williams, 2020)
- 外膜(Tunica adventitia):疎性結合組織、線維芽細胞、コラーゲン線維、弾性線維から構成され、周囲組織との連結と血管の保護を担当します(Ross and Pawlina, 2015)
血管の構造的多様性
血管の構造は機能や解剖学的位置によって顕著に異なります(Tortora and Derrickson, 2018; Gray and Williams, 2020):
- 大動脈および大型弾性動脈:豊富な弾性線維を含み、心収縮時の圧力波を緩衝する「ウィンドケッセル」効果を示します(Gray and Williams, 2020)
- 中型〜小型筋性動脈:発達した平滑筋層を持ち、血流の分配を調節します(Tortora and Derrickson, 2018)
- 細動脈:直径100μm以下で、強い血管収縮能を持ち、末梢抵抗と組織灌流を制御します(Ross and Pawlina, 2015)
- 毛細血管:直径7-9μmで、内皮細胞と基底膜のみで構成され、組織との物質交換を行います。連続型(脳)、有窓型(腎糸球体、内分泌腺)、不連続型(肝臓、脾臓、骨髄)の3タイプが存在します(Kierszenbaum and Tres, 2019; Ross and Pawlina, 2015)
- 静脈系:動脈と比較して壁が薄く、内腔が広く、中・大型静脈には血液の逆流を防ぐための弁が存在します(Gray and Williams, 2020)
臨床的意義