網嚢孔 Foramen omentale

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J0721 (小網:前方からの図)

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J0722 (網嚢:前から開けられた図)

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J0723 (肝臓を引き上げたときの網嚢への入口)

定義と位置

網嚢孔(おうのうこう、Foramen omentale)は、上腹部孔またはウィンスロー孔(Foramen of Winslow)とも呼ばれる解剖学的構造で、腹部臓器の重要な連絡路です。この孔は網嚢(大網嚢)の右側端に位置し、肝十二指腸間膜の後側で腹膜腔に開口しています。

解剖学的境界

網嚢孔は以下の4つの境界によって規定されます:

解剖学的特徴

成人における網嚢孔の大きさは指1〜2本が通る程度(直径約2〜3cm)であり、大網と小網を連結する解剖学的な通路として機能します(Standring, 2021)。この孔を通じて、腹腔内の液体や炎症が網嚢内に広がることがあり、臨床的に重要な意味を持ちます。

フランスの解剖学者Jacob Benignus Winslow(1669-1760)にちなんでウィンスロー孔とも呼ばれます。網嚢孔は外科手術において重要なランドマークであり、肝臓手術時の解剖学的指標となります(Moore et al., 2022)。

臨床的意義

1. Pringle法(プリングル法)

肝十二指腸間膜(小網)の右側縁内部には固有肝動脈、門脈、総胆管(Calotの三角)が通過するため、この部分を一時的に圧迫することで肝血流を遮断できます。この手技は肝外傷や肝切除術における出血コントロールに用いられる重要な手法です(Skandalakis et al., 2019)。

2. 網嚢孔ヘルニア

網嚢孔ヘルニアは稀ではありますが、内ヘルニアの一種として小腸が網嚢孔を通過して嵌頓することがあり、腸閉塞の原因となることがあります(Martin et al., 2018)。

参考文献