肝鎌状間膜は、腹膜の半月形ひだであり、横隔膜と前腹壁から肝表面に伸びます。肝臓は胃の遠位側から前腸の下部に生じ、前(腹側)胃間膜内にあるため、前(腹側)胃間膜は肝臓の腹側に位置する前(腹側)間膜と、肝臓の背側に位置する後(背側)肝間膜に分かれます。前肝間膜は、前腹壁と肝臓(前面と下面)との間で肝鎌状間膜となります。この間膜の下方の遊離縁内には臍静脈があり、この静脈は生後閉鎖して肝円索となります。後肝間膜は、肝臓と胃・十二指腸との間で小綱(肝胃間膜と肝十二指腸間膜)となります。