回外筋 Musculus supinator

J0175 (右上腕骨とその筋の起こる所と着く所:前方からの図)

J0176 (右上腕骨と筋の起こる所と着く所:後方からの図)

J0183 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手掌側からの図)

J0184 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手の裏側からの図)

J0473 (右前腕の筋(第2層):掌側図)

J0474 (右前腕の筋(第3層):掌側図)

J0475 (右前腕の筋(第4層):手掌側の図)

J0478 (右前腕の筋:背面図)

J0479 (右前腕の筋(深層):背面図)

J0580 (右前腕の動脈:背面図)

J0940 (右上腕の筋神経:前方からの筋)

J0942 (右前腕の神経、深い層:前面からの図)

J0948 (右前腕の筋肉の神経、後外側からの図)
回外筋は前腕の重要な筋肉であり、橈骨の回外運動を担う主要な筋として解剖学的・臨床的に重要な意義を持ちます(Gray, 2020; Standring et al., 2015)。
解剖学的特徴
位置と形態
- 前腕の後外側深層に位置する短く幅広い筋肉で、橈骨近位部を取り囲むように配置される(Moore et al., 2018; Standring et al., 2015)
- 表層部(浅頭、superficial head)と深層部(深頭、deep head)の2層構造を持つ(Gray, 2020)
- 浅頭:上腕骨外側上顆と橈骨輪状靱帯から起始(Standring et al., 2015)
- 深頭:尺骨の回外筋稜(supinator crest)から起始(Standring et al., 2015)
- 両頭の間に「回外筋管(supinator canal)」または「橈骨トンネル(radial tunnel)」と呼ばれる線維性トンネルが形成される(Konjengbam & Elangbam, 2004)
- 筋線維は外側上方から内側下方へ斜めに走行し、橈骨を螺旋状に包み込む(Moore et al., 2018)
- 筋の厚さは約5-10mm、幅は約30-40mm(個人差あり)(Standring et al., 2015)
起始
- 上腕骨外側上顆(lateral epicondyle of humerus)および外側上顆稜(supracondylar ridge)(Gray, 2020)
- 肘関節外側側副靱帯(lateral collateral ligament complex)の一部(Moore et al., 2018)
- 橈骨輪状靱帯(annular ligament of radius)の後方線維(Standring et al., 2015)
- 尺骨回外筋稜(supinator crest of ulna):尺骨近位後縁の隆起部(Gray, 2020)
停止
- 橈骨上部の前外側面:橈骨頸部から橈骨粗面(radial tuberosity)の近位部にかけての広範囲(Moore et al., 2018)
- 停止範囲は橈骨近位部の約3分の1を占める(Standring et al., 2015)
- 円回内筋(pronator teres)の停止部より近位に位置する(Gray, 2020)
作用
- 主作用:橈骨の回外運動(supination of radius)(Neumann, 2017)
- 橈骨を外側に回転させ、手掌を上向き(前方)にする動作(Neumann, 2017)
- 肘関節が屈曲位でも伸展位でも作用するが、特に肘伸展位での回外動作に強く寄与(Neumann, 2017)
- 上腕二頭筋が肘屈曲位で強力な回外筋として働くのに対し、回外筋は肘の角度に関わらず一定の回外力を発揮(Neumann, 2017)