短橈側手根伸筋 Musculus extensor carpi radialis brevis

短橈側手根伸筋は、前腕後面の伸筋区画に位置する重要な筋肉であり、手関節の伸展と橈側偏位に関与します。発生学的には上肢の伸筋コンパートメントに属し、解剖学的および機能的に手関節の安定性と運動制御において中心的な役割を果たします (Moore et al., 2018)。

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J0175 (右上腕骨とその筋の起こる所と着く所:前方からの図)

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J0176 (右上腕骨と筋の起こる所と着く所:後方からの図)

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J0184 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手の裏側からの図)

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J0206 (右の手骨:および筋の起こる所と着く所を示すの背面からの図)

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J0395-0401 (筋の形状)

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J0461 (右上腕の筋:橈側からの図)

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J0470 (右上腕の筋(深層):背面図)

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J0471 (右前腕の筋:前面からの図)

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J0472 (右前腕の筋:手掌側からの図)

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J0474 (右前腕の筋(第3層):掌側図)

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J0476 (右前腕の筋:橈側からの筋)

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J0477 (右前腕の筋:背面図)

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J0478 (右前腕の筋:背面図)

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J0479 (右前腕の筋(深層):背面図)

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J0480 (右手の背面)

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J0942 (右前腕の神経、深い層:前面からの図)

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J0948 (右前腕の筋肉の神経、後外側からの図)

解剖学的特徴

起始と停止

短橈側手根伸筋の起始は複数の構造から成り立っています:

停止は第3中手骨底の背側面に位置する茎状突起の基部に明確に付着します。この停止部位は手関節の生体力学において重要な意義を持ち、手関節伸展と橈側偏位の主要な力点となります (Palastanga and Soames, 2012)。

筋の走行と構造

短橈側手根伸筋は長橈側手根伸筋の深部に位置し、その筋腹は長橈側手根伸筋に部分的に覆われています。筋腹は紡錘形を呈し、前腕中央部で腱に移行します。腱は平坦で強靭な構造を持ち、長橈側手根伸筋の腱と密接に並走します (Standring, 2020)。

両腱は前腕遠位部で長母指外転筋と短母指伸筋の筋腹を斜めに交差し、この交差部位は臨床的に重要な領域となります。腱は橈骨遠位端の背側面に沿って走行し、伸筋支帯(伸筋腱維持装置)下の第2腱区画を通過します。第2腱区画は橈骨茎状突起の外側に位置し、リスター結節(Lister's tubercle)の橈側に区画されています。この区画内で、長橈側手根伸筋腱と短橈側手根伸筋腱はそれぞれ独立した滑液鞘に包まれており、摩擦を軽減し円滑な腱の滑走を可能にしています (Tubbs et al., 2016)。

神経支配

短橈側手根伸筋は橈骨神経深枝(後骨間神経)によって支配されます。神経支配の脊髄分節レベルはC6-C7が主体ですが、個人差によりC5やC8の寄与も見られることがあります。橈骨神経深枝は回外筋を貫通した後、前腕伸筋群への枝を出し、短橈側手根伸筋へは比較的近位部で神経枝が分岐します (Moore et al., 2018; Standring, 2020)。

血液供給

短橈側手根伸筋への血液供給は複数の動脈源から成り立っています: