頭長筋 Musculus longus capitis

J0081 (外頭蓋底:筋の起こる所と着く所を示す図)

J0419 (頚部の筋(第3層):前方からの図)

J0420 (頚部の筋(第3層):右側からの図)

J0423 (深頚筋:正面からの図)

J0424 (右側の椎前筋)

J0426 (頭側から見た気管始部を通る頚部の断面図)

J0565 (右側の内頚動脈と鼓室)
頭長筋は、頚部前面の深部に位置する重要な筋肉であり、頭部の屈曲運動と頚椎の安定性維持において中心的な役割を果たします(Gray & Lewis, 2024)。以下に、その詳細な解剖学的特徴と臨床的意義について説明します。
1. 解剖学的特徴
1.1 位置と走行
頭長筋は頚椎前面の深層に位置し、椎前筋群(prevertebral muscles)の一つとして、頚椎から後頭骨底部まで縦走します(Standring, 2023)。この筋肉は頚長筋の外側に位置し、両筋は解剖学的に密接な関係にあります。
1.2 起始と停止
- 起始:第3~6頚椎横突起の前結節(anterior tubercles of transverse processes of C3-C6)から起こります。通常4本の腱性起始部を持ちます。
- 停止:後頭骨底部の底面(basilar part of occipital bone)の下面に、頚長筋の外側で停止します。停止部は大後頭孔(foramen magnum)の前縁近くに位置します。
1.3 筋の構造と形態
- 筋線維の配列:複合羽状構造(multipennate structure)を呈し、効率的な力の伝達が可能です。この構造により、筋の断面積に対して大きな力を発揮できます(Moore et al., 2023)。
- 筋束の組織:4つの筋束が収束しながら上方へ走行し、扁平な腱を形成して後頭骨に付着します。
- 隣接構造との関係:
- 内側:頚長筋と隣接しており、両筋の境界は不明瞭です。
- 外側:前斜角筋(anterior scalene muscle)と接します。
- 前方:椎前筋膜(prevertebral fascia)に覆われています。
- 後方:頚椎の横突起と椎体に隣接します。
1.4 筋の寸法と形態計測
Yang et al. (2021)の研究によると、アジア人成人における頭長筋の平均的な形態は以下の通りです:
- 筋長:平均75-85mm
- 筋幅:上部で約15-20mm、下部で約8-12mm
- 筋厚:平均3-5mm
これらの計測値には個体差があり、性別や体格による違いも認められます(Scali et al., 2020)。
2. 神経支配と血管分布