後距腓靱帯 Ligamentum talofibulare posterius

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J0345 (右足の関節:後方からの図)

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J0346 (右足の関節:側面からの図)

解剖学的特徴

後距腓靱帯は、足関節外側靱帯複合体を構成する三つの主要靱帯(前距腓靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯)のうちの一つであり、足関節の外側安定性において重要な役割を果たす靱帯構造です。

**起始部:**外果(腓骨遠位端)の内側面にある外果窩(malleolar fossa)の底部から起始します。この窩は外果の内側面後方に位置する浅い凹みです。

**走行:**起始部から後内方に向かってほぼ水平に走行し、一部の線維は下内方に向かって広がります。

**停止部:**距骨の後突起(posterior process of talus)の外側結節に停止します。この結節は距骨体部の後方に突出する構造で、しばしば三角骨(os trigonum)として独立した骨片として存在することがあります。

**形態:**靱帯は幅広く扁平な構造を呈し、長さは約2-3cm、幅は約1-2cmです(Burks and Morgan, 1994)。線維は主にコラーゲンⅠ型から構成され、密な規則的結合組織を形成しています。

機能的役割

**安定性の提供:**後距腓靱帯は以下の機能を担っています:

Rasmussen(1985)の研究によれば、後距腓靱帯は足関節が背屈位にある場合に最も緊張し、底屈位では緩みます。これは前距腓靱帯とは逆の関係にあります。

臨床的意義

足関節捻挫における損傷:

後距腓靱帯は、足関節外側靱帯損傷の中では比較的損傷頻度が低い靱帯です。足関節捻挫全体の約1-3%程度で単独損傷が報告されています(Golanó et al., 2010)。これは、以下の理由によるものと考えられています: