下腿骨間膜 Membrana interossea cruris
下腿骨間膜は、脛骨と腓骨の間に張る強靭な線維性結合組織で、下腿の構造的・機能的統合に重要な役割を果たす解剖学的構造です(Standring, 2020; Moore et al., 2018)。

J0344 (右下脚の靱帯:前面からの図)

J0511 (右下腿の筋(第2層):前方からの図)
解剖学的特徴
位置と範囲:
- 脛骨の骨間縁(margo interosseus tibiae)と腓骨の骨間縁(margo interosseus fibulae)の間に広がる膜状構造
- 上端は脛腓関節の下方約2-3cm、下端は脛腓靭帯結合の上方約2-3cmに位置
- 下腿骨の長軸方向の約3/4の範囲を占める(Netter, 2018)
線維の構成と走行:
- 主線維束:脛骨から腓骨へ斜め下外側方に走行(遠位外側方向)
- 副線維束:逆方向(近位外側方向)に走行する線維も散在
- 厚さは部位により異なり、中央部が最も強靭
- 深層と浅層の二層構造を持つ部分もある(Standring, 2020)
開口部(孔):
- 上部の孔(上孔):
- 腓骨頭の下方、近位約2-3cmに位置
- 前脛骨動脈と前脛骨静脈が前区画から後区画へ通過
- 比較的大きな楕円形の開口
- 下部の孔(下孔):
- 遠位端近くに位置
- 腓骨動脈および静脈の貫通枝が通過
- 小さな円形または楕円形の開口
- その他:
- 多数の小孔が散在し、小血管や神経の通過路となる(Moore et al., 2018)
機能的役割
力学的機能:
- 脛骨と腓骨を強固に連結し、下腿の構造的安定性を維持