脛腓靭帯結合 Syndesmosis tibiofibularis

J0344 (右下脚の靱帯:前面からの図)

J0353 (右足の関節:足の関節、足の背面)
解剖学的概要
脛腓靱帯結合は、下腿遠位端における脛骨と腓骨の間に形成される線維性の骨連結(靱帯結合)であり、足関節の安定性を維持する上で極めて重要な解剖学的構造です(Netter, 2018)。
詳細な解剖学的構造
位置と接触面:
- 腓骨下端の内側面(粗面)と脛骨下端の外側面(腓骨切痕)が接触する部分に形成されます(Moore et al., 2017)。
- この接触面は両骨とも粗造な表面を呈しており、強固な線維性結合を可能にしています。
- 脛骨腓骨切痕(incisura fibularis tibiae)は脛骨遠位端外側に位置し、腓骨遠位端を受け入れる凹面を形成しています。
靱帯構成要素:
- 前脛腓靱帯(ligamentum tibiofibulare anterius):結合の前面に位置し、脛骨前縁から腓骨前外側に斜めに走行します。足関節背屈時に緊張します(Standring, 2020)。
- 後脛腓靱帯(ligamentum tibiofibulare posterius):結合の後面に位置し、より強靭な靱帯です。深層部分と浅層部分に分かれ、深層部分は下脛腓横靱帯とも呼ばれます(Hermans et al., 2010)。
- 骨間靱帯(ligamentum interosseum):下腿骨間膜の最も遠位の部分で、両骨間の短い強靭な線維束として存在します。
- 下横靱帯(ligamentum transversum inferius):後脛腓靱帯の深層に位置し、距骨後方への移動を制限します。
関節腔との関係:
- 脛腓靱帯結合は本来関節腔を持たない線維性結合(syndesmosis)です(Moore et al., 2017)。
- しかし、約10-15%の症例で距腿関節(ankle joint)の関節腔が近位に向かって脛腓靱帯結合の領域まで延長することがあり、これは正常変異として認められています(Ebraheim et al., 2006)。
- この関節腔の延長は、脛腓間の可動性をわずかに増加させる可能性があります。
機能的重要性
足関節の安定性維持: