内側顆(脛骨の)Condylus medialis

J0244 (右の脛骨と腓骨:前方からの図)

J0245 (右の脛骨と腓骨:後方からの図)
解剖学的特徴
脛骨の内側顆は、脛骨近位端(上端)に位置する重要な解剖学的構造であり、膝関節を構成する主要な骨性要素の一つです(Gray, 2020; Standring, 2020)。外側顆とともに脛骨高原(tibial plateau)を形成し、大腿骨内側顆と関節を形成します(Netter, 2018)。
形態的特徴
- 内側顆の関節面は外側顆よりもやや大きく、楕円形を呈します(Moore et al., 2017)
- 関節面は凹面を形成し、大腿骨内側顆の凸面と適合します(Standring, 2020)
- 側方から観察すると、脛骨近位端は軽度に後方へ傾斜しています(Gray, 2020)
- 内側顆の外側縁には顆間隆起(intercondylar eminence)の内側結節が位置します(Netter, 2018)
- 内側顆の後面には半膜様筋の付着部があります(Moore et al., 2017)
関節構造における役割
内側顆は膝関節の内側区画(medial compartment)を形成し、以下の重要な機能を担います:
- 体重負荷の約60-70%を内側区画で受け止めます(内側顆は外側顆よりも大きな荷重を受けます)(Sharma et al., 1998)
- 内側半月板(medial meniscus)を支持し、荷重分散とクッション機能を提供します(Seedhom, 2006)
- 内側側副靭帯(MCL: medial collateral ligament)の脛骨付着部となります(Standring, 2020)
- 膝関節の屈曲・伸展運動における回転運動の軸として機能します(Gray, 2020)
臨床的意義
変形性膝関節症(膝OA)
- 内側顆は荷重が集中しやすいため、変形性膝関節症では内側区画が最も早期に障害されます(Felson et al., 2000)
- 内反変形(O脚)により内側顆への負荷がさらに増大し、軟骨摩耗が進行します(Sharma et al., 2001)