

解剖学的特徴
膝蓋骨尖(しつがいこつせん、Apex patellae)は、膝蓋骨の下端に位置する尖った突起部分です。膝蓋骨は大腿四頭筋腱内に発達した最大の種子骨であり、その形状は逆三角形を呈しています(Gray, 2020)。膝蓋骨尖はこの三角形の下方頂点に相当し、膝蓋靱帯(膝蓋腱)の起始部として機能します。
構造と位置関係
機能的役割
膝蓋骨尖は膝関節の伸展機構において中心的な役割を果たしています(Moore et al., 2018):
臨床的意義
膝蓋骨尖およびその周辺構造は、以下のような臨床的問題に関与します:
1. ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
膝蓋骨尖部での膝蓋靱帯付着部に過度のストレスがかかることで発症します。バスケットボールやバレーボールなどのジャンプ動作を繰り返すスポーツで多く見られ、膝蓋骨尖直下の圧痛が特徴的です(Moore et al., 2018)。
2. 膝蓋骨骨折
膝蓋骨尖を含む膝蓋骨の骨折は、直達外力(膝を地面に強打)や介達外力(大腿四頭筋の強い収縮)により生じます(Gray, 2020)。膝蓋骨尖が骨折片として分離した場合、膝関節伸展機構が破綻し、自動伸展が不能となります。