粗線とは、大腿骨の後面にある幅広い隆起状の線で、内側唇と外側唇で構成されています。この線は、内側広筋、外側広筋、大腿二頭筋(短頭)の起始部分を含み、また大内転筋、長内転筋、短内転筋の停止部分でもあります。また、中央部には栄養孔があり、上部と下部で分かれています。この粗い線は、人類だけに見られる独特の特徴です。人類は直立歩行を行うために必要な筋肉が発達し、これらの筋肉の付着部である粗線が強く隆起したためです。粗線の有無は、化石猿人が直立歩行をしていたかどうかを決定するための決定的な指標となります。