上腕骨頭 Caput humeri

J0169 (右上腕骨:前方からの図)

J0170 (右上腕骨:後方からの図)

J0172 (右上腕骨、上端部:上方からの図)

J0467 (右上腕の筋(第2層):掌側図)
解剖学的特徴
上腕骨頭は上腕骨の近位端に位置する半球状の関節面であり、肩甲骨の関節窩と肩甲上腕関節を形成します(Gray, 2020; Standring, 2021)。以下に詳細な解剖学的特徴を示します:
形態学的構造
- 形状と寸法:直径約4.0-4.5cmの滑らかな半球状構造で、その関節面の表面積は肩甲骨関節窩の約3-4倍に及ぶ(Standring, 2021; Iannotti et al., 1992)
- 関節軟骨:硝子軟骨で覆われ、中心部で約2-2.5mm、周辺部では約1mmと厚さが変化する。この軟骨は荷重分散と摩擦軽減に重要な役割を果たす(Soslowsky et al., 1992)
- 解剖頸:上腕骨頭の基部を取り囲む狭窄部で、骨幹部との境界を形成し、関節包の付着部位となる
- 位置的特性:頂点は内側上方へ約135度の頸体角を形成し、後方へ約30度の後捻角を持つ。この角度は個人差があり、臨床的に重要な指標となる(Boileau and Walch, 1997)
血管解剖
上腕骨頭の血液供給は複雑であり、その理解は虚血性壊死や骨折治療において極めて重要です(Brooks et al., 1993; Gerber et al., 1990):
- 前上腕回旋動脈(anterior humeral circumflex artery):上腕骨頭の主要な血液供給源で、前内側から進入する弓状動脈を形成
- 後上腕回旋動脈(posterior humeral circumflex artery):後方から血液を供給し、前上腕回旋動脈と吻合
- 上腕深動脈からの栄養動脈:骨幹部から進入する小血管が補助的に栄養を供給
- 血管進入部位:解剖頸の前内側部に主要な血管進入口があり、この領域の損傷は骨頭壊死のリスクを高める
神経支配
上腕骨頭周囲には以下の神経が分布します(Netter, 2018; Standring, 2021):
- 腋窩神経(axillary nerve):三角筋と小円筋を支配し、肩関節の外側皮膚感覚を担当
- 肩甲上神経(suprascapular nerve):棘上筋と棘下筋を支配し、肩関節の後上方の感覚に関与
- 関節包の固有感覚受容器:関節の位置覚と運動感覚に重要な役割を果たす