下角(肩甲骨の)Angulus inferior scapulae

J0160 (右の肩甲骨:前方からの図)

J0161 (右肩甲骨:後方からの図)

J0162 (右肩甲骨:外側からの図)
肩甲骨の下角は、肩甲骨の三角形状の最下端に位置する解剖学的に重要な構造である。本項では、その詳細な解剖学的特徴と臨床的意義について述べる。
1. 解剖学的構造と位置
基本的位置関係
肩甲骨下角(Angulus inferior scapulae)は、肩甲骨の内側縁(Margo medialis)と外側縁(Margo lateralis)が合流する点に形成される。この部位は肩甲骨の三角形状の頂点の一つであり、最も下方に位置する角として定義される (Standring, 2020)。
体表解剖学的位置
下角の高さは個人差があるが、通常以下の位置に対応する:
- 標準的位置:第7肋骨から第8肋骨の高さに位置する (Moore et al., 2018)
- 脊柱との関係:第7胸椎棘突起とほぼ同じ高さに位置することが多い
- 位置の変動:姿勢、呼吸相、上肢の位置により変動する
- 肩甲骨運動時:上方回旋時には下角は外側上方に移動し、下方回旋時には内側下方に移動する
形態学的特徴
下角の形態には以下の特徴がある:
- 形状:通常、丸みを帯びた鈍角を呈する
- 厚み:肩甲骨の他の部位と比較して比較的厚みがある
- 表面:前面(肋骨面)は凹面を、後面は凸面を呈する
- 骨質:海綿骨と皮質骨から構成され、力学的負荷に適応した構造を持つ
2. 筋肉付着部
大菱形筋(Rhomboid major)