

定義と位置
棘上窩は肩甲骨の後面上部に位置する舟底形の浅いくぼみで、肩甲棘の上方に存在します (Standring, 2020)。肩甲骨上角と肩甲切痕の間の上縁から肩甲棘の上縁までの領域を形成しています。
解剖学的特徴
筋付着
棘上窩には棘上筋(musculus supraspinatus)が起始します (Moore et al., 2018)。棘上筋は回旋筋腱板(rotator cuff)の一部を構成し、以下の機能を持ちます:
臨床的意義
1. 回旋筋腱板損傷
棘上筋腱は回旋筋腱板損傷の中で最も頻繁に障害される部位です (Yamamoto et al., 2010)。加齢、反復性の肩関節使用、外傷などにより部分断裂または完全断裂を起こします。
2. 肩峰下インピンジメント症候群
肩関節外転時に棘上筋腱が肩峰と上腕骨頭の間で機械的に圧迫される病態です (Neer, 1983)。棘上窩から起始する棘上筋が肩峰下滑液包を通過する際に炎症や疼痛を引き起こします。