上肢骨

上肢の骨は、肩から指先までの骨を指します。これには鎖骨、肩甲骨、上腕骨、前腕骨、手骨が含まれます。具体的には以下の通りです:

これらの骨は上肢の運動や手の複雑な動きに対応する構造を持っています。上肢の自由な動きは、胸鎖関節を介して体幹と連結していることにより可能になります。

日本人のからだ(平田和明 2000)によると

(1)顆上突起Processus supracondylaris (図32)

顆上突起は、上腕骨の顆の上に存在する余分な骨の突起を指します。系統発生的に重要で、内側上顆の上方に位置し、靭帯で内側上顆と結合されています。円回内筋がこの靭帯から起こることがあり、靭帯の下を上腕動脈と正中神経が通ることもありますが、日本人では非常に稀です。

顆上突起は、内側上顆の上方、上腕骨骨体の遠位1/3付近に出現する鈎状の突起として知られています。この突起は内側上顆と靭帯で結合し、腱弓あるいは孔(顆上孔)を形成することがあります。この部位を通常上腕動脈・上腕静脈や正中神経が通過します。しかし、日本人における出現率は低く、突起の形状は通常鎌状で、長さは約10mmですが、時には20mmを超えることもあります。

また、西原(1953)によると、上腕骨272側中に顆上突起はほとんど見られないが、その部位に結節状の小隆起が4側(1.5%)に、そして幅1mm前後の小溝が16側(5.9%)に認められたとのことです。

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