頚切痕(胸骨の);胸骨上切痕

頚切痕は以下のように定義されます:

特徴:

頚切痕は解剖学的に重要な構造であり、胸骨の形態を理解する上で重要な指標となります。

J144.png

J0144 (胸骨:前面からの図)

J0145 (胸骨:右側からの図)

日本人のからだ(平田和明 2000)によると

頚切痕

頚切痕は、胸骨の上端と柄骨の部分にあるくぼみを指すものです。この部分は、右と左の鎖骨が胸骨に接続する地点の間に位置しています。特に首を前方に曲げたときに、皮膚の表面から触知できます。

頚切痕の両側上方の隆起部が独立して、左右の小骨片となったものを胸上骨(Ossa suprasternalia)と言います。男性234体中31例(13.2%)、女性138体中23例(16.7%)、計372体中54例(14.5%)に胸上骨が見られました(竹中, 1953 b)。この54例中、対称のあるものは37例(68.5%)、対称のないものは17例(31.5%)でした。

胸上骨は、本来、胸骨柄と軟骨性の連結をする独立した小骨を指し、胸骨柄と骨性結合をしているものは胸骨上結節と呼ばれます。上記の数値は、この胸骨上結節を合算したものです(竹中, 1953 b)。54例中20例が胸骨上結節で、そのうち7例は一側が骨結合で、他側は軟骨結合でした。

竹中(1953 a)によると、頚切痕は以下の4型に分類されます(372体中)。