肋骨結節 Tuberculum costae

J0140 (右側の第一および第二肋骨:上外側からの図)
J0141 (右側の第一および第二肋骨:上外側からの図)

J0306 (肋骨と関連する椎骨と靱帯:上方からの図)
解剖学的記述
肋骨結節は、肋骨頚(Collum costae)の外側端に位置する後方に突出した楕円形の骨性隆起です(Gray, 2020; Standring, 2020)。この構造は第1肋骨から第10肋骨まで明瞭に認められ、第11・12肋骨では退化または欠如しています(Moore et al., 2018)。
位置と形態
- 肋骨頭から約3cm外側に位置し、肋骨頚と肋骨体の移行部に形成されます(Netter, 2018)。
- 結節の内側面には**肋骨結節関節面(Facies articularis tuberculi costae)**があり、対応する胸椎の横突起先端にある横突肋骨窩(Fovea costalis processus transversi)と肋横突関節(Articulatio costotransversaria)を形成します(Standring, 2020)。
- 結節の外側面は非関節面で、粗面を呈し、肋横突靱帯(Ligamentum costotransversarium)が付着します(Moore et al., 2018)。
血管と神経
- 肋骨結節の周囲には肋間動脈(Arteriae intercostales)、肋間静脈(Venae intercostales)、肋間神経(Nervi intercostales)が走行します(Drake et al., 2019)。
- 特に肋骨の下縁に沿って走行する肋間神経血管束は、肋骨角から肋骨結節付近で肋間溝(Sulcus costae)内に入ります(Netter, 2018)。
臨床的意義
1. 肋横突関節の脱臼と損傷
- 外傷により肋骨結節と横突起の関節が脱臼することがあり、深い背部痛と呼吸時痛を引き起こします(Waldman, 2015)。
- カイロプラクティックやマニピュレーション治療の対象となることがあります(Waldman, 2015)。
2. 肋骨骨折
- 肋骨結節付近は肋骨角とともに骨折の好発部位です。特に直達外力や圧迫外傷で骨折しやすい部位です(Talbot et al., 2017)。
- この部位の骨折は胸膜や肋間神経血管束の損傷を伴うリスクがあります(Ziegler & Agazzi, 2012)。
3. 画像診断での指標
- 胸部X線写真やCT検査において、肋骨結節は肋骨の同定と計測の解剖学的ランドマークとして使用されます(Schueller & Schueller-Weidekamm, 2014)。