環椎の外側塊 Massa lateralis atlantis
環椎の外側塊は第1頚椎(環椎、C1)の最も強靭な構造であり、頭蓋頚椎移行部の安定性と可動性を支える中心的役割を果たしています。その解剖学的特徴と臨床的意義について詳述します。

J0120 (環椎:頭蓋骨側からの図)
J0121 (環椎:尾側からの図)
解剖学的特徴
構造と位置
- 外側塊は環椎の前弓と後弓を連結する左右一対の強靭な柱状構造で、環椎の中で最も厚く、最も荷重に耐える部分です (Standring, 2021)。
- 各外側塊は約15-20mmの高さを持ち、横断面では楕円形を呈します (Xu et al., 1995)。
- 外側塊の内側面は環椎管の外側壁を形成し、脊髄と椎骨動脈を保護しています (Tubbs et al., 2010)。
上関節面(Superior articular facet)
- 外側塊の上面には大きく凹状の上関節窩(fovea articularis superior)が存在し、後頭骨の後頭顆(occipital condyle)と後頭環椎関節(atlanto-occipital joint)を形成します (Gray et al., 2020)。
- この関節面は腎臓型または楕円形で、長軸は前内側から後外側に向かい、平均面積は約160-180mm²です (Paraskevas et al., 2003)。
- 関節面は前方で内側に、後方で外側に傾斜しており、この配置により頭部の前後屈運動が可能になります (Bogduk and Mercer, 2000)。
- 関節面の傾斜角度は個人差があり、頭部の可動域に影響を与えます (Standring, 2021)。
下関節面(Inferior articular facet)
- 外側塊の下面には平坦または軽度に凹状の下関節窩(fovea articularis inferior)があり、第2頚椎(軸椎、C2)の上関節突起と環軸関節(atlanto-axial joint)を形成します (Standring, 2021)。
- この関節面はほぼ円形で、平均直径は約15-18mmで、やや下方かつ内側に面しています (Xu et al., 1995)。
- 下関節面は回旋運動を可能にする構造で、頭部回旋の約50%(40-47度)がこの関節で行われます (Bogduk and Mercer, 2000)。
外側面と横突起