蝶形骨突起(口蓋骨の)Processus sphenoidalis (Os palatinum)

J0056 (右の口蓋骨:内側からの図)

J0057 (右側の口蓋骨:後方からの図)

J0058 (右側の口蓋骨:外側からの図)
解剖学的構造
口蓋骨の蝶形骨突起は、口蓋骨垂直板の上後端から上内側方へ伸びる薄い骨性突起です(Standring, 2020)。この突起は口蓋骨と蝶形骨を連結する重要な解剖学的構造であり、以下の詳細な特徴を有します:
形態学的特徴
- 位置と方向:口蓋骨垂直板の後上部から起始し、上内側方向に向かって蝶形骨体部の下面へと伸展します(Williams et al., 1995)
- 形状:薄く扁平な三角形または楔状の突起で、個体差が認められます
- 連結部:蝶形骨体部の下面および蝶形骨翼状突起の内側板と関節を形成します
- 内側面:鼻腔外側壁の一部を形成し、上鼻甲介の後方に位置します
- 外側面:翼口蓋窩の内側壁の一部を構成します
- 後縁:蝶形骨洞の前下方開口部の形成に関与します
隣接構造との関係
- 蝶形骨体部:上方で蝶形骨体の下面と接合し、蝶形口蓋孔の形成に寄与します(Moore et al., 2018)
- 篩骨:前上方で篩骨の篩骨迷路と接します
- 鋤骨:内側面で鋤骨の下縁と接触します
- 翼口蓋窩:外側面は翼口蓋窩の内側壁を形成し、蝶形口蓋動脈や上顎神経の枝が通過する重要な解剖学的空間を境界づけます(Netters, 2018)
機能的意義
- 頭蓋底の構造的支持:頭蓋底の前部と中頭蓋窩を連結し、構造的安定性を提供します
- 副鼻腔の境界形成:蝶形骨洞の前下方開口部の形成に関与し、副鼻腔の解剖学的構造を規定します(Stammberger, 1991)
- 神経血管通路の形成:翼口蓋窩の内側壁として、蝶形口蓋孔を介した神経血管構造の通過路を形成します