手根 Carpus

J0203 (右の手骨:手掌側からの図)

J0204 (右の手骨:手の背側からの図)
解剖学的概要
手根は手の近位部を構成する骨格構造であり、前腕骨(橈骨と尺骨)と中手骨の間に位置します(Standring, 2020)。8個の短骨である手根骨と、これらを連結する靭帯群から構成されています。
手根骨の配列
手根骨は近位列と遠位列の2列に配列されています(Moore et al., 2017):
- 近位列(橈側から尺側へ):舟状骨(Scaphoid)、月状骨(Lunate)、三角骨(Triquetrum)、豆状骨(Pisiform)
- 遠位列(橈側から尺側へ):大菱形骨(Trapezium)、小菱形骨(Trapezoid)、有頭骨(Capitate)、有鈎骨(Hamate)
関節構造
- 橈骨手根関節:橈骨遠位端と近位手根列(主に舟状骨と月状骨)との間の関節で、手関節の主要な可動域を提供(Standring, 2020)
- 手根間関節:手根骨相互の関節で、わずかな滑り運動を可能にする
- 手根中手関節:遠位手根列と中手骨基部との関節
靭帯構造
手根部には多数の靭帯が存在し、安定性を提供しています(Berger, 1997):
- 掌側手根間靭帯:手根骨間を連結し、掌側の安定性を提供
- 背側手根間靭帯:背側の支持構造
- 橈骨手根靭帯:橈骨と手根骨を連結
- 尺側側副靭帯:尺側の安定性を提供
手根管(Carpal Tunnel)
手根骨の掌側面と屈筋支帯(横手根靭帯)によって形成されるトンネル構造です(Chammas et al., 2014)。このトンネル内には正中神経と9本の屈筋腱(浅指屈筋腱4本、深指屈筋腱4本、長母指屈筋腱1本)が通過します。