上肢帯 Cingulum pectorale

上肢帯(胸帯、肩帯)は、自由上肢骨を体幹に連結する骨格構造であり、鎖骨(Clavicula)と肩甲骨(Scapula)の2つの骨から構成されます(Standring, 2020)。この構造は、上肢の広範な可動性を確保しながら、体幹との安定した連結を提供する重要な役割を果たしています(Moore et al., 2017)。

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J0309 (右肩帯と靱帯:外側から少し前方からの図)

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J0360 (上肢帯:右肩、内側に巻かれた上腕、軸光線は斜めに前方、腹背方向からのX線像)

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J0361 (上肢帯:右肩、内側に巻かれた上腕、軸光線は斜めに前方、背腹方向からのX線像)

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J0362 (上肢帯:右肩と上腕は内転し、仰臥した手の掌は腹側を向いています、腹背方向からのX線像)

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J0363 (上肢帯:右肩と上腕は内転し、仰臥した手の掌は腹側を向いています、腹背方向からのX線像)

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J0364 (上肢帯:右肩と上腕は外転しています(ほぼ90°)、仰向けの手のひらは上向き、腹背方向からのX線像)

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J0365 (上肢帯:右肩と腕は外転しています(ほぼ90°)、仰向けの手のひらは上向き、腹背方向からのX線像)

解剖学的構造

骨学的構成:

系統発生学的背景:

上肢帯は進化の過程で、内骨格性の置換骨(肩甲骨)と外骨格性の皮骨性骨(鎖骨)が組み合わさって形成されました(Gilbert, 2016)。この二重起源は、四肢動物の陸上適応において、上肢の可動性と安定性のバランスを最適化するために進化したものです(Carroll, 1988)。

関節と連結:

筋肉の付着:

上肢帯には多数の筋肉が付着し、肩甲骨の運動(挙上、下制、前方突出、後退、上方回旋、下方回旋)を制御します(Moore et al., 2017)。主要な筋肉には以下が含まれます: