0365 (上肢帯:右肩と腕は外転しています(ほぼ90°)、仰向けの手のひらは上向き、腹背方向からのX線像)

J0365 (上肢帯:右肩と腕は外転しています(ほぼ90°)、仰向けの手のひらは上向き、腹背方向からのX線像)
拡大率:1:2. 図J0360 (上肢帯:右肩、内側に巻かれた上腕、軸光線は斜めに前方、腹背方向からのX線像)-J0365 (上肢帯:右肩と腕は外転しています(ほぼ90°)、仰向けの手のひらは上向き、腹背方向からのX線像)は同じ個体からのものです。
画像の見方と体位
- 右肩のX線(腹背方向:AP)。上腕はほぼ90°外転、前腕は回外して手のひらが上向きです。
- この体位では大結節が外側に回り、肩峰下の重なりが少し減るため、上腕骨近位部や肩峰下間隙の観察に適します。
主な骨性ランドマーク
- 鎖骨:写真上方を横走。
- 肩甲骨
- 肩峰(acromion):鎖骨外端と連続し、肩峰鎖骨関節を形成。
- 烏口突起(coracoid):肩峰の前下方に突出する陰影。
- 関節窩(glenoid):上腕骨頭と肩関節を形成。
- 上腕骨
- 上腕骨頭:関節窩と向かい合う球状の陰影。
- 大結節(Tuberculum majus):外側の膨隆。外転・回外位で側方に明瞭に見えます。
- 肋骨:画面右側に弧状の多層陰影として並ぶ。
図中アノテーションの意味
- 00=上肢帯(胸帯・肩帯):鎖骨と肩甲骨で構成され、上肢を体幹に連結します。
- 01=大結節(上腕骨):棘上筋・棘下筋・小円筋などの腱が付着し、肩関節の安定に重要。
関節のポイント
- 肩関節(肩甲上腕関節):上腕骨頭と肩甲骨関節窩。外転位で関節面の重なり方が変わり、骨頭と関節窩の位置関係が把握しやすい。
- 肩峰下間隙:肩峰下と上腕骨頭の間。腱板インピンジメント評価の参考所見になります。
学習のコツ
- 鎖骨→肩峰→烏口突起→関節窩→上腕骨頭→大結節の順に、輪郭の連続性と重なりを追うと迷いにくいです。