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目次(III. 脈管系)

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リンパ管系は脈管系全体の極めて重要な構成要素であり、その原始的形態は血管に先立って出現する。二次的に形成されたものは、脈管系のより進んだ分化を示している。

リンパ管系は以下の要素から構成される:

  1. リンパ管(Vasa lymphacea):リンパ管とリンパ腔(Lymphgefäße und Lymphräume)を指す。これらは様々な形状、大きさ、構造を持ち、リンパ管と乳糜管(Lymph- und Chylusgefäße)に分類できる。

多くの動物では、リンパ管に連続した自動性器官(motorische Organe)が様々な場所に存在し、その律動的収縮によってリンパの求心性流れが促進される。これがリンパ心臓(Lymphherzen)である。

  1. 脈管腺(Organa cytogenea, [Blut-]Gefäßdrüsen):数種類あるが、いずれも本質的にリンパ様結合組織から構成されている点で共通している。

脈管腺に属するものには以下がある:

  1. 体内に広く分布する多数のリンパ小節(Lymphonoduli, Lymphknötchen):個々に分かれている(孤立:solitär)場合と、群をなしている(集合:aggregiert)場合がある。前者を孤立リンパ小節(Lymphonoduli solitarii)という。集合形をなすものには、舌、口蓋、耳管、咽頭の扁桃および腸の集合リンパ小節(Lymphonoduli aggregati)がある。
  2. 胸腺(Thymusdrüse)
  3. 多数のマルピギー小体(Malpighische Körperchen)を持つ脾臓
  4. 多数存在するリンパ節(Lymphonodi, Lymphknoten od. Lymphdrüsen)
  5. いわゆる血リンパ節(Haemolymphonodi, Blutlymphdrüsen)
  6. 骨髄(Medulla ossium, Knochenmark)

これらの器官の一部は、実地医学では内臓学として扱われている。扁桃(Mandeln)、腸の集合リンパ小節(Lymphknötchenhaufen)、胸腺(Thymus)、脾臓などがそれだが、ここではそれらの系統的位置を明確にしておく。

リンパ管を乳糜管(Chylusgefäße)と狭義のリンパ管(Lymphgefäße)に区別するのは、その内容による。狭義のリンパ管内にはリンパ(Lymphe)があり、乳糜管には乳糜(Chylus)が含まれる。消化時以外は乳糜管にもリンパが流れている。その他の点ではこの2種類の脈管は同じである。乳糜管はのリンパ管だが、腸には乳糜管の他に通常のリンパ管も存在する。

上述のすべての(Drüsen)のうち、リンパ節がリンパ管と最も密接な関係を持つ。ほぼすべてのリンパ管は、その経路で少なくとも1個のリンパ節を通過する。

リンパ腔の発生 Entwicklung der Lymphräume

リンパ腔とリンパ管 Lymphräume und Lymphgefäße