https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html

片山正輝

目次(V. 神経系)

funalogo.gif


解剖学的位置と機能

嗅覚伝導路

味覚伝導路

遠心性伝導路

483-486.png

図483(有線領(鳥距型)の8細胞層)、484(海馬足の模型図)、485(嗅球を通る横断面)、486(嗅球と嗅索の構造を示す模型図)

499.png

図499(味覚伝導の経路、涙腺と唾液腺への神経伝導の経路)

505.png

図505(中枢における嗅覚伝導路とその反射系)

海馬傍回鈎と海馬足には嗅覚と味覚の中枢があります。嗅傍野と梁下回も嗅覚中枢(Geruchszentrum)に属しています。Bechterewによれば(図499(味覚伝導の経路、涙腺と唾液腺への神経伝導の経路))、皮質の味覚中枢は頭頂弁蓋にあるとされています。

嗅覚中枢(Geruchszentrum)への求皮質性伝導路は嗅糸から始まります。これは嗅球の嗅糸球(図483(有線領(鳥距型)の8細胞層)、484(海馬足の模型図)、485(嗅球を通る横断面)、486(嗅球と嗅索の構造を示す模型図) )でニューロンを変えた後、外側嗅条を通って海馬傍回鈎に達します。また、内側嗅条を経て嗅傍野に至り、そこから梁下回、外側縦条、歯状回を経て同じく海馬傍回鈎に到達します。

味覚中枢(Geschmackszentrum)への求皮質性伝導路は、中間神経(鼓索の続き)と舌咽神経、およびこれらの線維が孤束内を下行して孤束核(Nucleus terminalis n. intermedii et n. IX)に達するものから始まります。そこから線維が内側毛帯を通って視床に達し、次いで海馬傍回に至ります。

遠皮質性伝導路は脳弓内を乳頭体へと走ります(皮質乳頭体路、Tractus corticomamillaris)。そこからさらに乳頭視床束を通って視床前核へ、また乳頭被蓋束を通って被蓋網様核に達し、上丘にも到達します。視床前核からはさらに伝導路が視床内側核と淡蒼球を経て赤核・黒核・上丘に至り、内側縦束の起始核に達します。被蓋網様核からは伝導路がさらに網様体延髄路(Tractus reticulobulbaris)と網様体脊髄路(Tractus reticulospinalis)内を進み、上丘から生じる伝導路は視蓋脊髄路内を走って運動性の根細胞に達します(図505(中枢における嗅覚伝導路とその反射系) )。

嗅覚中枢と前交連との関係についてはIII. 投射神経路 Tractus nervosi projectionis, Projektionssysteme を、また扁桃核との関係については4. 扁桃核 Nucleus amygdalae, Mandelkernを参照してください。