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投射神経路は、遠皮質性(corticofugal)と求皮質性(corticopetal)の結合からなり、両側の大脳半球の灰白質を脳のより下方の部位および脊髄と連結している。
大脳脚の線維群は、視床の腹側に接し尾状核に覆われて終脳に入る。これは視床、尾状核、レンズ核という3つの大きな核の間に位置し、[レンズ核]内包(Capsula interna nuclei lentiformis, innere Kapsel)と呼ばれる。この線維束は内包を経て背外側方向に走り、半卵円中心の髄質塊に入り込み、その一部を形成する。大脳脚が大脳皮質全域に広がる部分を放線冠(Corona radiata, Stabkranz)と呼ぶ(図443(放線冠の線維像(線維束分離標本))、図444(視床の放線冠の一部) )。放線冠は前頭部(Pars frontalis)、頭頂部(Pars parietalis)、側頭部(Pars temporalis)、後頭部(Pars occipitalis)に区分される。内包の下部では大脳脚の線維群が密集し、さらに灰白質の条によって貫かれており、この条は黒質とレンズ核淡蒼部(淡蒼球)を結合している。
これらの線維束は徐々に横方向に平たい多数の葉板(Blätter)に分かれ、上行するにつれてより明確に分離する。その間には尾状核と被殻を結ぶ灰白質が挟まれている。また、これらは尾状核の側縁を越えたところで、前額面に伸びる脳梁放線の葉板と交差する。
この放線部を側方から見ると、葉板の稜や幅の狭い側面が棒のように見えることから、Stabkranz(棒の並んだ冠の意)と呼ばれる。
内包の線維束は尾状核の全長にわたってその外側縁から出ている。
内包は前脚(Crus frontale capsulae internae)と後脚(Crus occipitale capsulae internae)に分けられる。前者は尾状核頭とレンズ核の間に、後者は視床とレンズ核の間に位置する。両者は鈍角を成して合流し、この部分を内包膝(Genu capsulae internae, Knie der inneren Kapsel)と呼ぶ。内包膝は分界条の前端に一致している(図434(脳、水平断面I)、図436(脳、水平断面II) )。
放線冠内を走る投射線維は、その長さにより短い神経路と長い神経路に区別される。
[図444] 視床の放線冠の一部を示している。
H:大脳半球の皮質、Th:視床、v:前視床脚、o:上視床脚、h:後視床脚(視放線に属する部分)、u:下視床脚。