https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
片山正輝
目次(V. 神経系)
短い投射神経路は、大脳皮質から視床、線条体、内外の両膝状体、赤核、乳頭体に至る線維路である。
- 視床放線(Thalamusstrahlungen)または視床の放線冠(Stabkranz des Thalamus)は、皮質視床路(Tractus corticothalamici)と視床皮質路(Tractus thalamocorticales)からなり、大脳皮質の各部と視床を結ぶ線維群である。これには4つの視床脚(Thalamusstieleと)が区別される:
・前視床脚(vorderer Thalamusstiel):前頭葉と視床前端を結ぶ
・上視床脚(oberer Thalamusstiel):中心前回、中心後回、および隣接する前頭葉・頭頂葉の一部を視床の内側核・外側核と結ぶ
・後視床脚(hinterer Thalamusstiel):後頭葉と視床枕を結ぶ
・下視床脚(Pedunculus thalami basialis, unterer Thalamusstiel):側頭葉と視床下部を結ぶ
- 視放線(Radiatio optica)またはグラチオレ視放線(Gratioletsche Sehstrahlung)は、鳥距溝周囲の大脳皮質(視覚中枢)と以下の部位を結ぶ:
・外側膝状体((視)膝状体皮質路Tractus geniculocorticalis(opticus))
・視床枕(視床枕皮質路Tractus pulvinocorticalis)
・上丘
- (聴)膝状体皮質路(Tractus geniculocorticalis (acusticus))または聴放線(Hörstrahlung)は、上側頭回の皮質を内側膝状体および下丘と結ぶ。
- 赤核への放線は、弁蓋と前頭葉の皮質から起こる。
- 線条体放線(Radiatio corporis striati)には以下が含まれる:
a) 皮質線条部(Pars corticostrialis):前頭葉と頭頂葉の皮質から起こる線維
b) 被殻と尾状核間の結合
c) 線条視床部(Pars striothalamicaおよび線条視床下部(Pars striohypothalamica):レンズ核と視床間の結合。レンズ核係蹄(Ansa lenticularis, Linsenkernschlinge)はレンズ核の3節すべてから出る線維で構成され、レンズ核底部で密な層を形成して視床に達する、または視床からここに至る。
- 脳弓(弓隆)(Fornix, Gewölbe)は皮質乳頭路(Tractus corticomamillaris)とも呼ばれ、海馬傍回鈎の皮質から乳頭体に至る。脳弓起始部の線維の一部は嗅傍野に終わり、これは長い脳弓(Fornix longus)と呼ばれる。
長い脳弓は連合神経路(I. 連合神経路 Tractus nervvosi associaionis, Assoziationssysteme 参照)に属し、一方、皮質乳頭路は投射神経路に属する。
脳弓(弓隆)Fornix, Gewölbe