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片山正輝

目次(V. 神経系)

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視覚中枢の解剖学的位置と特徴

視覚伝導路

機能的領域

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図504(視覚伝導路)

これは鳥距溝の上下両壁、楔部、および後頭葉の外面に位置しています。鳥距溝の両壁とその周辺部は視覚中枢(Sehzentrum)であり、ここは(2. 大脳皮質の構造の場所による相違 Regionale Unterschiede in der Struktur der Großhirnrinde 視覚領皮質における網膜の各部の局在参照)ヴィック・ダジール条の存在により有線領(Area striata)と呼ばれ、また特に多層の細胞構造により特徴づけられています。

視覚中枢内では、網膜の特定部位が視皮質の特定部位に投射しています(1. 上行性の伝導路系 Aufsteigende Leitungssysteme 参照)。ただし、黄斑部の投射が特別に限局しているかどうかは不明確です。

その求皮質性伝導路は、外側膝状体(および視床枕)を経由する視索と、視放線の膝状体皮質路により構成されています。膝状体皮質路は外側膝状体と視床枕から視覚中枢に到達します(図504(視覚伝導路))。

遠皮質性伝導路は上記とは逆方向に進み、皮質視床路(Tractus corticothalami)の線維からなります。この伝導路は外側膝状体に達し、さらに網膜へと続きます。また、視放線に含まれる遠皮質性線維は、外側膝状体、上丘、視床枕でニューロンを変えて、動眼筋を支配する3つの神経核と脊髄前根に到達します。

楔部と後頭葉の外側面および上面には、視覚性記憶像(optische Erinnerungsbilder)の領域があります。