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基本構造と経路
解剖学的特徴
粘膜と内腔構造
血管・神経支配
図679(**ヒトの耳管とその周辺構造:**咽頭口付近の横断面)
耳管は圧平された形の管で3.5~4cmの長さがある(相川春雄によれば日本人の耳管はヨーロッパ人のそれと計測値においてほとんど差異がない。日耳鼻39巻8号,1933)。
鼻腔のうしろで咽頭の側壁の上部に、耳管咽頭口Ostium pharyngicum tubae pharyngotympanicaeという開口をもって始まり、外側後方へと細くなりながら鼓室に移行する。その移行部が耳管鼓室口Ostium tympanicum tubae pharyngotympanicaeである。
耳管の走向は矢状方向と前額方向のほぼ中間にあり、咽頭口から鼓室口へと緩やかな上行傾斜を示す。耳管は以下の2部分からなる:a)耳管軟骨部Pars cartilaginea tubae pharyngotympanicaeは内側の長い部分で、軟骨と線維膜で囲まれ、耳管の全長の約2/3を占める。b)耳管骨部Pars ossea tubae pharyngotympanicaeは外側の短い部分で、側頭骨内にあり骨性の壁で囲まれている。これは側頭骨の耳管半管Semicanalis tubae pharyngotympanicaeが粘膜で被われたものである。両部の移行部は最も狭く、耳管峡Isthmus tubae pharyngotympanicaeと呼ばれる。また耳管骨部には耳管[含気]蜂巣Cellulae pneumaticae tubalesという小さな凹みが複数存在する。
[図679]**ヒトの耳管とその周辺構造:**咽頭口付近の横断面