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大脳脚は中脳の腹側部を形成し、中脳の中で最も強大な構成要素といえる。
左右の大脳脚は、下方は橋および橋腕、上方は視索によって境される。その背側には各側に被蓋(Tegmentum、Haube)があり、被蓋は黒褐色を呈する灰白質の大きな板によって大脳脚から隔てられている。この灰白質の板は、色素沈着により暗色を呈する神経細胞からなり、黒質(黒核、Substantia nigra)と呼ばれる(図419(中脳の横断面) 、図469(中脳と上丘の横断面I) )。
大脳脚と被蓋は、外面では溝によって互いに分けられている。この溝は外側面では中脳外側溝(Sulcus lateralis mesencephali、図422(脳幹、四丘体付近、菱形窩) )、内側面では動眼神経溝(Sulcus n. oculomotorii、図410(脳の正中断面の一部を拡大したもの) )と呼ばれる。被蓋の背側は四丘板(Lamina quadrigemina)によって覆われている。
大脳脚の幅は初め12〜15mmだが、前方に向かって広がり18〜20mmとなる。大脳脚の全長は10〜15mmである。視索に達すると、脳の内部に入って見えなくなる。大脳脚は初めわずか2mm離れているが、視索の後縁では15mmの距離となる。
左右の大脳脚の内側縁と乳頭体によって三角形の小さなくぼみ、すなわち脚間窩(Fossa intercrualis)が形成される。脚間穿孔質(Substantia perforata intercruralis)がこの窩の底をなし、脚間窩の後部は下陥凹(Recessus caudalis)、前部は上陥凹(Recessus rostralis)と名付けられている(図410(脳の正中断面の一部を拡大したもの) )。