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動脈は上甲状腺動脈から分岐する上喉頭動脈と下甲状腺動脈から分岐する下喉頭動脈である。細いが臨床的に重要な輪状甲状筋枝Ramus cricothyreoideusは上甲状腺動脈の枝であり、これについてはすでに述べた(γ. 輪状甲状靱帯―弾性円錐の自由部 Lig. cricothyreoideum = Pars libera coni elastici )。この動脈は対側の同名動脈と吻合する(図223(胸腔の内臓の位置 I))。
静脈は上下の甲状腺静脈に流入する。
リンパ管は非常に豊富で、2つの平面上に網状に広がっている。これらの網は相互に連結し、そのリンパ液は近隣の頚部リンパ節へと導かれる。
神経は迷走神経から出る上下の喉頭神経と交感神経の吻合枝からきている。上喉頭神経の外枝は輪状甲状筋を、内枝は上部の喉頭粘膜を支配し、下喉頭神経はその他のすべての喉頭筋と下部の粘膜を支配する。粘膜に分布する多数の神経の経路には小さな神経節が存在している。
喉頭蓋の神経終末装置は上皮下と上皮内に存在する。上皮下のものは終末小樹、終末糸球、および細胞周囲終末の形をとっている(図199(ウサギの喉頭蓋における上皮下の神経終末小樹)、200(イヌの気管後壁の神経叢における極小神経節))。上皮内のものは瘤状の細糸、その細糸の束、および細胞周囲終末装置の形をとり、また喉頭蓋の味蕾では上皮細胞間神経終末の形をしている。喉頭粘膜の神経支配は喉頭蓋のそれに類似している。
喉頭蓋、喉頭、気管には非常に多くの神経節が見られる。
[図199]ウサギの喉頭蓋における上皮下の神経終末小樹(Arnstein)
[図200]イヌの気管後壁の神経叢における極小神経節
a 樹状突起をもつ神経細胞。枝分かれしない突起(d)は瘤状の部分をもつ線維(variköse Nervenfaser)として神経節を出て、淡色の細い神経小幹に至る。b 神経細胞で、その神経突起は気管の筋肉まで追跡できた。c 細い有髄神経線維。神経節内で枝分かれし、髄鞘を失って著しく蛇行した後、細胞周囲の終末装置に終わる。この終末装置に取り囲まれた神経細胞は染色されていない(Arnstein)。