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目次(VI. 感覚器)

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A15_0169(眼球鞘)Fascial sheath of eyeball

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図664(眼球被膜(テノン被膜))

眼球の中央部と後部は線維性の被膜でゆるく包まれ、この被膜によって眼球は眼窩脂肪体との直接的な接触を遮断されている。眼球被膜から外方へは結合組織葉が伸び、脂肪小葉を区画する結合組織と多くの箇所でつながっている。また、眼球被膜と眼球との間は多数の微細な線維によって結合している。結合組織の小梁が貫通している箇所はリンパ隙であり、眼球周囲隙Spatium circumbulbareと呼ばれる。

眼球被膜は前方で眼球結膜にまで伸び、結膜円蓋から2〜3mm離れた箇所で円周状に結膜下組織の中に消失する(眼球の後極付近では眼球被膜が薄くなり、視神経が眼球に入る付近ではこの被膜は強膜と癒着している[Hesser])。

眼筋は眼球被膜と密接な関係にある。各眼筋の腱が眼球周囲隙を貫く際、眼筋の結合組織鞘は眼球に近づくほど強固になり、方向を変えながら眼球被膜へと移行する。この関係は次のようにも表現できる:眼筋の腱が眼球被膜を貫くとき、被膜は逆行性の鞘を筋に与え、この鞘は筋の表面を覆い、筋の起始部付近で薄くなる。この結合組織性の鞘は外筋周膜Perimysium externumがよく発達したものであり、眼筋筋膜Fasciae muscularesと呼ばれる。眼球周囲隙は腱に沿って眼筋方向へ(特に眼筋の外面で)短距離追跡できる。しかし、眼球被膜を貫く腱は、その側稜から発する結合組織束が眼筋筋膜の稜と癒合することで、腱が強膜に至る経路が保証され固定される。眼球被膜を貫く腱が6本あることは、前述の説明から明らかである(図664(眼球被膜(テノン被膜)) )。

H. Virchow, Über Tenonschen Raum und Tenonsche Kapsel. Abh. Akad. Wiss., Berlin 1902.-C. Hesser, Der Bindegewebsapparat. . . . d. Orbita u s w. Anat. Hefte 1913.