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片山正輝

目次(V. 神経系)

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図400(脊髄の構造を模型的に表わした図)

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図401(1つの感覚ニューロンの構造)、402(脊髄の一部における運動ニューロン群、感覚ニューロン、および索細胞の相互関係)

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図405(脊髄における種々の伝導路の領域を示す(模型図))

1.後索(Fasciculus dorsalis, Hinterstrang)

後索は主に脊髄神経節の知覚性細胞の神経突起から構成され、これらの突起は知覚性後根として脊髄に入る。

脊髄に入った線維の過半数は内側に進み、中間部は直接後柱の灰白質に達し、外側部は辺縁帯に移行する(図400(脊髄の構造を模型的に表わした図)図405(脊髄における種々の伝導路の領域を示す(模型図)))。

ブルダッハ索の外側部では根線維が入る領域を後根進入帯(Wurzeleintrittszone)と呼ぶ。

脊髄に入った根線維は白質内部で、それぞれ1本の短い下行枝と1本の長い上行枝に分かれる。

一つの根に属する多数の線維の下行枝図400(脊髄の構造を模型的に表わした図)図401(1つの感覚ニューロンの構造)、402(脊髄の一部における運動ニューロン群、感覚ニューロン、および索細胞の相互関係) )は密接に並び、一束を形成する。これが横断面でコンマ状に見えるため、シュルツェのコンマ(Schultzesches Comma)と呼ばれる(図405(脊髄における種々の伝導路の領域を示す(模型図)))。上行枝は様々な距離を上方に走り、長短様々な経過の後に終わる。最も長いものは延髄まで達し、後索内側部核および後索外側部核で終止する。その他の下行枝は後索下行束(Fasciculus descendens dorsalis、後索の卵円部ovales Hinterstrangfeld)を形成する。

上方に向かって走る間、上行枝の長いものは、より上方から入ってくる後根の線維によって徐々に内側の後正中中隔に押しやられる。これによりゴル索(Gollscher Strang)が形成される。

ゴル索は脊髄の下部(およそ第4胸髄まで)、すなわち体幹の下半からの知覚性長線維で構成され、これらを延髄の後索内側部核に導く。

ブルダッハ索は、その全経過にわたって知覚性の長短両方の線維を含む。その頚髄部分は体幹上半からの長短両方の線維を延髄の後索外側部核に導く。

上行枝と下行枝から側枝と終枝が脊髄の灰白質に入り、同側および対側のさまざまな場所で終止する。これらは前柱の運動性細胞、後柱核、クラーク柱の細胞、およびその他の索細胞に到達する(図400(脊髄の構造を模型的に表わした図)図401(1つの感覚ニューロンの構造)、402(脊髄の一部における運動ニューロン群、感覚ニューロン、および索細胞の相互関係)図405(脊髄における種々の伝導路の領域を示す(模型図)))。