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目次(III. 脈管系)
基本構造
- 心臓壁は心外膜、心筋層、心内膜の3層から構成される
心筋層の特徴
- 心筋層は心臓壁の主要層であり、心臓の筋肉性基盤を形成する
- 心房と心室の筋肉は線維輪により分離され、ヒス束のみが両者を連結する
- 心室筋は表面から内部へらせん状に走行し、心尖部で心渦という渦巻構造を形成する
刺激伝導系
- 心臓の刺激伝導系は洞房結節、房室結節(田原結節)、ヒス束により構成される
- ヒス束は心房と心室の筋肉を直接連結する唯一の構造である
心内膜の特徴
- 心内膜は20~500μmの薄い結合組織性の膜で、内皮に覆われている
- 左心の心内膜は右心より発達しており、心房部では弾性組織が豊富である
[図628] 若い個体の心臓を煮て筋肉を剖出したもの:前面(2/3)
心房の前面をよく観察できるよう、大動脈を半月弁のすぐ上で切断してある。表面の筋層を示している。
A:右心室、B:右心房、C:左心室、D:左心房。a:心房横走線維、b:左心房輪走線維。1:肺動脈、2:大動脈、3:上大静脈、4:右肺静脈、5:左肺静脈、6:前室間溝、7:右心耳、8:左心耳。
[図629] 若い個体の心臓を煮て筋肉を剖出したもの:後面(2/3)
A:右心室、B:右心房、C:左心室、D:左心房。1:上大静脈、2:下大静脈、3:右肺静脈、4:左肺静脈、5:大心静脈、6:後心室間静脈、7:冠状静脈洞、8:後室間溝、9:左心耳。
[図630]ヒトの煮た心臓を腹側(前面)と尾側(下面)からの図、様々な筋層を露出させている。(3/4)
A:右心室、B:左心室、C:右心耳、D:左心耳
- 前室間溝を越える斜走表面線維、2. 右心室のやや深層。さらに深い層3と同様に室間溝内で内側に湾曲、3. 右心室のより深層線維。急角度で上昇し、一部は乳頭筋に到達、4. 左心室外側層の断面、5. 中隔の線維、6. 左心室内側の急角度で上方へ向かう線維
a) 心外膜 Epicardium
b) 心筋層 Myocardium, Muskelschicht des Herzens
c) 心内膜(Endocardium)