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片山正輝

目次(V. 神経系)

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これらの細胞は脊髄の外に位置する。発生過程では、すべての脊椎動物で脊髄神経節の細胞は紡錐形で双極性を示す(図398(孵化9日目のニワトリ胚の胸髄における前根細胞と後根細胞) )。魚類ではこの状態が持続するが、より高等な動物では不均等な発育過程により偽単極Pseudo-unipolarとなる。ただし、蝸牛神経節Ganglion spirale cochleaeと前庭神経節Ganglion vestibuliは例外で、高等動物でも双極性を維持する。

これらの細胞は1本の突起を伸ばし、その突起がすぐに分岐する。分岐した2本の枝は元の幹とともにT字形を形成する(図401(1つの感覚ニューロンの構造)、402(脊髄の一部における運動ニューロン群、感覚ニューロン、および索細胞の相互関係) )。中枢側の枝はしばしば細く、これが細胞の**神経突起(軸索突起)**となる。一方、末梢側の枝は長く分枝のない樹状突起となる。

これらの細胞の神経突起は集まって後根の主要な線維群を形成し、後根として脊髄に入る。

各細胞は特殊な結合組織の被膜と密集した鞘細胞層に包まれている(9. 器官としての末梢神経節の構造 Struktur der peripheren Ganglien als Organ 参照)。この被膜は神経線維の鞘に連続する。神経線維は細胞体の近くで髄鞘Markhülleとシュワン鞘(神経鞘)Schwannsche Scheideを獲得する。これらの鞘は結合組織性の原線維鞘の内側に位置し、神経線維の分枝にも及ぶ。分枝は必ず絞輪Schnürringで生じ、分岐前には常に1~2個の絞輪が観察される(RK119(神経突起をもつ神経細胞)、120(単極神経細胞) )。

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RK119(神経突起をもつ神経細胞)、120(単極神経細胞)

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図398(孵化9日目のニワトリ胚の胸髄における前根細胞と後根細胞)

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図401(1つの感覚ニューロンの構造)、402(脊髄の一部における運動ニューロン群、感覚ニューロン、および索細胞の相互関係)