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片山正輝

目次(V. 神経系)

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末梢の神経節Peripherische Ganglienは、神経細胞が局所的に集まったものであり、多数の有髄および無髄の神経線維によって貫かれている。顕微鏡でようやく確認できるほど小さく、ごく少数の細胞体しか含まない神経節も存在する。

脊椎間神経節および交感神経節の細胞の形Zellformenは多様である。脊椎間神経節の細胞はその大部分が単極であり(図366(ヒトの脊髄神経節の大型細胞(100µm)とその結合組織性被膜)、367(A. 単純結合、B. 相互結合) )、一方、交感神経節の細胞は多極である。

脊椎間神経節、すなわち脊髄神経節の細胞は、研究者によって若干の型に分類されている。その分類基準には、細胞の大きさ、細胞内の染色可能物質の量と外観、細胞突起の数と特徴がある。また、成人においても、胎生期の特性を保持し、成長を続けていると考えられる細胞が他の細胞とともに存在することも重要な特徴である。

神経節は全体として、様々な厚さの結合組織性被膜に包まれている。この被膜は、神経節に到達する神経の神経周膜の延長である。神経節の内容物は神経線維と神経細胞からなる(図369(ヒトの下頚神経節) )。神経線維は神経内膜鞘に包まれ、神経細胞は殻に包まれたクルミのように特殊な被膜内に存在する。これらの被膜は、神経線維の神経内膜鞘の延長である結合組織線維と、多数の特殊な細胞から構成される。これらの細胞は被膜細胞(Kapselzellen)、外套細胞(Mantelzellen)、辺縁細胞(Randzellen)、または鞘細胞(Scheidenzellen)と呼ばれる。これらの細胞は神経細胞の表面と線維性被膜の内壁の間に位置し、Heldによれば末梢性のグリア細胞と考えられている(図364(神経内膜、神経周膜、神経上膜)、365(脊髄神経節の細胞とその結合組織性被膜および(グリア性)外套細胞)図366(ヒトの脊髄神経節の大型細胞(100µm)とその結合組織性被膜)、367(A. 単純結合、B. 相互結合))。

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[図364]神経内膜,神経周膜,神経上膜;太い神経線維と細い神経線維.ヒトの坐骨神経の横断面の一部.

[図365]脊髄神経節の細胞とその結合組織性の被膜および(グリヤ性の)外套細胞 ヒトの脊髄神経節(C. VI)より.

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[図366]ヒトの脊髄神経節の大きな細胞(100µ)とその結合組織性被膜(Lenhossék)

[図367]A. 単純結合Conjugatio simplex, B. 相互結合Conjugatio mutua,×印のところで交叉している.

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[図368]ヒトの坐骨神経の横断面

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[図369]ヒトの下頚神経節。その一部を弱拡大で示す。