



足の厥陰肝経は、十二正経の一つで、足の第一趾(母趾)から始まり、下肢内側を上行して胸部に至る経絡です。WHO標準経穴部位に基づき、14穴が定められています。
| 国際表記 | 経穴名 | 部位 | 解説 |
|---|---|---|---|
| LR1 | 大敦(だいとん) | 足の第一趾外側、爪甲角から後方2mm | 井木穴。肝経の起始穴。疝気、崩漏、尿閉などに用い、意識障害の急救穴としても知られる。 |
| LR2 | 行間(こうかん) | 足背、第1・第2中足趾節関節の前、陥凹部 | 栄火穴。肝火上炎による頭痛、目の充血、月経不順などに用いる。実証に対する瀉法の要穴。 |
| LR3 | 太衝(たいしょう) | 足背、第1・第2中足骨底間の前、陥凹部 | 兪土穴、原穴。肝経の最重要穴。肝気鬱結、高血圧、頭痛、めまい、情緒不安定など幅広く使用される。 |
| LR4 | 中封(ちゅうほう) | 足関節前内側、内果尖の前1寸、脛骨前筋腱の内側陥凹部 | 経金穴。疝気、遺精、足関節の痛みなどに用いる。 |
| LR5 | 蠡溝(れいこう) | 下腿内側、内果尖の上5寸、脛骨内側面の中央 | 絡穴。下腿内側の痛み、月経不順、帯下などに用いる。 |
| LR6 | 中都(ちゅうと) | 下腿内側、内果尖の上7寸、脛骨内側面の中央 | 郄穴。急性の肝経病証、疝気、崩漏などに用いる。 |
| LR7 | 膝関(しつかん) | 膝内側、脛骨内側顆の後下方、半腱様筋腱付着部の前方陥凹部 | 膝の内側の痛み、下肢の痺れなどに用いる。 |
| LR8 | 曲泉(きょくせん) | 膝内側、膝窩横紋内側端、半腱様筋腱と半膜様筋腱の間の陥凹部 | 合水穴。膝の痛み、月経不順、帯下、陰部の痒みなどに用いる。補法により肝血を養う。 |
| LR9 | 陰包(いんぽう) | 大腿内側、膝蓋骨底内端の上4寸、縫工筋後縁 | 月経不順、腰痛、尿閉などに用いる。 |
| LR10 | 足五里(あしごり) | 大腿内側、気衝の下3寸、動脈拍動部 | 下腹部の痛み、陰部の腫れなどに用いる。 |
| LR11 | 陰廉(いんれん) | 大腿内側、気衝の下2寸、動脈拍動部 | 下腹部の痛み、月経不順などに用いる。 |
| LR12 | 急脈(きゅうみゃく) | 鼠径部、恥骨結合上縁の外方2.5寸、動脈拍動部 | 疝気、陰部の痛み、下腹部の痛みなどに用いる。 |
| LR13 | 章門(しょうもん) | 側腹部、第11肋骨端下縁 | 脾の募穴、八会穴(臓会)。脾胃の不調、腹脹、肋間痛などに用いる。消化器疾患の重要穴。 |
| LR14 | 期門(きもん) | 前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸 | 肝の募穴。肝経の終末穴。肝気鬱結による胸脇苦満、肋間痛、情緒不安定などに用いる。 |
足の第一趾外側端(大敦)から始まり、足背、下腿内側、膝内側、大腿内側を上行し、陰部を巡り、下腹部、側腹部を通って肋骨弓下に至ります。
肝経の経穴は、肝・胆の疾患、泌尿生殖器疾患、婦人科疾患、情緒障害、眼疾患、下肢の運動障害などに用いられます。特に太衝(LR3)は重要穴として知られ、肝気鬱結の治療に頻用されます。
足の厥陰肝経は、陰経の最後の経絡であり、「陰の終わり」として位置づけられます。肝は血を蔵し、疏泄を主る臓腑であるため、この経絡の治療は血液循環、自律神経系、ホルモン系の調整に重要な役割を果たします。