



足の少陰腎経は、十二正経の一つで、足の裏から始まり胸部で終わる経絡です。腎臓および泌尿生殖器系と深く関連し、生命エネルギーの根源である「腎気」を司ります。
| 国際表記 | 経穴名 | 読み | 伝統的な取穴 | 解説 |
|---|---|---|---|---|
| KI1 | 湧泉 | ゆうせん | 足底、足指を屈したときにできる凹陥部、足底前方の最も凹んだ所。第2・3趾間から踵に向かい足底前1/3と後2/3の境目。 | 腎経の井木穴。足底の最も凹んだ部位で、生命エネルギーが湧き出る穴とされる。 |
| KI2 | 然谷 | ねんこく | 足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際。舟状骨下方の陥凹部。 | 腎経の滎火穴。舟状骨の下方、皮膚色の変わり目に位置する。 |
| KI3 | 太渓 | たいけい | 内果尖とアキレス腱の間の陥凹部。後脛骨動脈拍動部。原穴。 | 腎経の兪土穴、原穴。腎の原気が集まる重要な経穴で、腎虚の治療に広く用いられる。 |
| KI4 | 大鍾 | だいしょう | 内果後下方、太渓の下方5分、アキレス腱付着部前縁の陥凹部。絡穴。 | 腎経の絡穴。膀胱経に連絡する。 |
| KI5 | 水泉 | すいせん | 内果尖の下方1寸、太渓の下方で踵骨隆起の前陥凹部。郄穴。 | 腎経の郄穴。急性症状や痛みの治療に用いられる。 |
| KI6 | 照海 | しょうかい | 内果尖の直下1寸、内果下縁の陥凹部。八脈交会穴の一つ(陰蹻脈)。 | 八脈交会穴の一つで陰蹻脈に通じる。咽喉疾患や不眠症の治療に重要。 |
| KI7 | 復溜 | ふくりゅう | 太渓の上方2寸、アキレス腱の前縁。経金穴。 | 腎経の経金穴。水分代謝の調整、発汗異常の治療に用いられる。 |
| KI8 | 交信 | こうしん | 内果尖の上方2寸、復溜の前方、脛骨内側縁の後際。陰蹻脈との交会穴。 | 陰蹻脈との交会穴。婦人科疾患の治療に用いられる。 |
| KI9 | 築賓 | ちくひん | 太渓の上方5寸、腓腹筋とヒラメ筋の間。陰維脈との交会穴。 | 陰維脈との交会穴。精神安定、下腿の痙攣や痛みの治療に用いられる。 |
| KI10 | 陰谷 | いんこく | 膝窩横紋内側端、半腱様筋腱と半膜様筋腱の間の陥凹部。膝を屈曲した時の陥凹部。合水穴。 | 腎経の合水穴。膝関節疾患、泌尿生殖器疾患の治療に用いられる。 |
| KI11 | 横骨 | おうこつ | 臍中央の下方5寸、前正中線の外方5分。恥骨結合上縁の高さ。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。泌尿生殖器疾患、下腹部痛の治療に用いられる。 |
| KI12 | 大赫 | だいかく | 臍中央の下方4寸、前正中線の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。生殖機能の調整に用いられる。 |
| KI13 | 気穴 | きけつ | 臍中央の下方3寸、前正中線の外方5分。関元の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。気の巡りを整え、婦人科疾患の治療に用いられる。 |
| KI14 | 四満 | しまん | 臍中央の下方2寸、前正中線の外方5分。石門の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。下腹部の気滞、水湿の停滞に用いられる。 |
| KI15 | 中注 | ちゅうちゅう | 臍中央の下方1寸、前正中線の外方5分。陰交の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。消化器系、婦人科疾患の治療に用いられる。 |
| KI16 | 肓兪 | こうゆ | 臍中央の外方5分。神闕の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。腹部膨満、便秘、消化不良の治療に用いられる。 |
| KI17 | 商曲 | しょうきょく | 臍中央の上方2寸、前正中線の外方5分。下脘の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。胃腸機能の調整に用いられる。 |
| KI18 | 石関 | せきかん | 臍中央の上方3寸、前正中線の外方5分。建里の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。嘔吐、胃痛、腹部の気滞の治療に用いられる。 |
| KI19 | 陰都 | いんと | 臍中央の上方4寸、前正中線の外方5分。中脘の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。消化器疾患、胸腹部の気滞に用いられる。 |
| KI20 | 腹通谷 | ふくつうこく | 臍中央の上方5寸、前正中線の外方5分。上脘の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。胃の機能調整、腹部膨満の治療に用いられる。 |
| KI21 | 幽門 | ゆうもん | 臍中央の上方6寸、前正中線の外方5分。巨闕の外方5分。衝脈との交会穴。 | 衝脈との交会穴。胃の出口に関連し、消化器疾患の治療に用いられる。 |
| KI22 | 歩廊 | ほろう | 第5肋間、前正中線の外方2寸。 | 胸部の経穴。咳嗽、胸痛、肋間神経痛の治療に用いられる。 |
| KI23 | 神封 | しんぽう | 第4肋間、前正中線の外方2寸。 | 胸部の経穴。心の気を封じる穴とされ、咳嗽、胸悶の治療に用いられる。 |
| KI24 | 霊墟 | れいきょ | 第3肋間、前正中線の外方2寸。 | 胸部の経穴。霊気の宿る場所とされ、呼吸器疾患の治療に用いられる。 |
| KI25 | 神蔵 | しんぞう | 第2肋間、前正中線の外方2寸。 | 胸部の経穴。神気を蔵する穴とされ、咳嗽、胸痛の治療に用いられる。 |
| KI26 | 彧中 | いくちゅう | 第1肋間、前正中線の外方2寸。 | 胸部の経穴。咳嗽、喘息、胸悶の治療に用いられる。 |
| KI27 | 兪府 | ゆふ | 鎖骨下縁、前正中線の外方2寸。腎経の最終穴。 | 腎経の最終穴。咳嗽、喘息、胸痛の治療に用いられる。気の集まる府とされる。 |
足の少陰腎経は、足の小趾の下(湧泉穴)から始まり、足底を斜めに走り、内果の後方を通って下腿内側を上行します。膝窩の内側を経て大腿内側後縁を上り、脊柱に入って腎に属し膀胱に絡します。その後、体表に現れて腹部と胸部の前正中線の外方5分(KI11-21)または2寸(KI22-27)を上行し、鎖骨下で終わります。
足の少陰腎経には27個の経穴があり、KI1(湧泉)からKI27(兪府)まで番号が付けられています。この経絡には五兪穴(井・滎・兪・経・合)、原穴、絡穴、郄穴などの重要な特殊穴が含まれています。
足の少陰腎経は以下のような疾患や症状の治療に用いられます:
**湧泉(KI1):**井木穴。生命エネルギーが湧き出る穴とされ、意識障害、足底痛、高血圧などに用いられます。
**太渓(KI3):**兪土穴・原穴。腎経の最も重要な経穴の一つで、腎虚全般の治療に広く用いられます。
**照海(KI6):**八脈交会穴(陰蹻脈)。咽喉疾患、不眠症、婦人科疾患の治療に重要です。