1077 (右指の掌側表面の皮膚の隆起と溝)

J1077 (右指の掌側表面の皮膚の隆起と溝)
自然なサイズで印象にて得られた。
図の概要
右手指腹(掌側表面)の皮膚表面を、実物大のスタンプ印影のように示した図です。指先の渦状紋から基節部までの連続を示し、皮膚の「隆起(稜)」と「溝」、そして関節の屈曲でできる深いしわ(屈曲線)を見せています。
主要構造
- 皮膚小稜(Cristae cutis/Papillary ridges)
- 黒く連なる「線」の盛り上がった部分。指紋を形づくる主役です。
- 小稜の頂部には点状の小孔が並び、これは汗腺の開口(汗孔)です。汗が出るのは「稜」の上です。
- 皮膚小溝(Sulci cutis)
- 関節の折り目ジワ(屈曲線)
- 指節間関節のところに横走する、より太く深いしわ。把持や屈曲のために皮膚が余裕を持つための「折り目」です。
- 指紋パターン
- 指尖部では同心円や渦巻き状に稜が配列し、末端ほど密で、基部に向かうとやや間隔が広がります。
- 図右の拡大像は、個々の稜の分岐・合流、終止、細かな島状構造など(いわゆる細部特徴)を示します。
観察ポイント
- 稜線上に汗孔が規則的なピッチで並ぶこと
- 稜線が途中で分岐したり合流したりして模様のバリエーションを作ること
- 屈曲線は稜・溝とは成り立ちが異なり、皮下の関節運動に応じた「可動のためのしわ」であること
意味づけ
- 機能面
- 稜と溝の微細な凹凸は摩擦を高め、把持や触覚の微細判別に寄与します。
- 汗孔からの微量の湿り気は滑り止めとして働きます。
- 個体識別
- 稜の配列と細部特徴は個人ごとに固有で、法医学・生体認証に用いられます。
必要なら、この図の「アノテーション 01=皮膚小溝、02=皮膚小稜」を図中の位置に合わせて、用語ページへのリンクと対応づけの追記もできます。